【注目銘柄】アルファパーチェスは急反発し逆行高、2Q累計決算で通期業績上ぶれの可能性

■2Q決算発表に期待し1Q高利益伸長率業績を手掛かりに急反発

 アルファパーチェス<7115>(東証スタンダード)は、前日3日に30円高の12488円と3営業日ぶりに急反発して引け、東証スタンダード市場の上昇率ランキングの第40位にランクインした。同市場の株価指数が、10.25ポイント安の1107.65と続落するなかでの逆行高である。同社株は、今年8月14日に今2023年12月期第2四半期(2023年1月~6月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、これを前に今期第1四半期(2023年1月~3月期、1Q)業績が、12月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに業績期待を高めリオープン(経済活動再開)関連株買いが再燃した。ヒストリカル的にも、今期1Q決算発表時にストップ高を交え上場来高値まで買い進まれたことが連想されている。

■1Q業績はFM事業も好調で通期予想業績対比で35%の利益進捗

 同社の今期1Q業績は、売り上げ122億5800万円(前年同期比20.7%増)、営業利益3億4000万円(同11.1%増)、経常利益3億3200万円(同12.5%増)、純利益2億3600万円(同18.5%増)で着地し、今12月期通期予想業績に対する利益進捗率は、34%~35%と目安の25%を上回った。新型コロナウイルス感染症の感染症法の位置づけが「5類」に引き下げられてリオープンの生産・消費活動が活発化し、大企業向けに工具、作業用品、事務用品などの間接材をシステム販売するMRO事業の売り上げが92億6300万円(同13.0%増)、セグメント利益が1億8200万円(同3.0%増)、外食産業やコンビニエンス業界向けに改装、新装などを行うFM事業の売り上げが29億7400万円(同56.5%増)、セグメント利益が1億3800万円(同15.9%増)とそれぞれ好調に推移したことが寄与した。

 今12月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ486億円(前期比9.5%増)、営業利益9億5000万円(同8.8%減)、経常利益9億4800万円(同4.7%減)、純利益6億7700万円(同3.8%減)と増収減益と見込んでいる。MRO事業の売り上げは361億円(同13.3%増)、セグメント利益は6億円(同4.9%増)と続伸を見込んだが、FM事業では外食産業の店舗投資の先行きが不透明として売り上げ124億円(同0.3%減)、セグメント利益2億9300万円(同28.7%減)と保守的に見積もったことが響いている。ただ今期1Qの好決算に続き、2Q累計業績での好調持続を確認することになれば通期業績の上ぶれの可能性もあるとして注目されている。なお配当は、年間18円(前期実績15円)と連続増配を予定している。

■IPO株投資鉄則の「小さく産んで大きく育てる」通りに上場来高値奪回へ

 株価は、昨年12月26日に公開価格880円で新規株式公開(IPO)され、公開価格をやや下回る869円で初値をつけ配当権利落ちで上場来安値656円へ調整し、売られ過ぎとして直近IPO株買いで828円までリバウンドしたものの、今期業績の減益転換予想で680円へ再調整した。同安値からリオープン関連株人気で1306円高値に急伸し、今期1Qの好決算発表ではストップ高を交えて上場来高値1394円まで買い進まれた。足元では、25日移動平均線で下値を確認する動きを続けているが、公開価格、初値を約40%上回る株価水準でIPO株の投資鉄則の「小さく産んで大きく育てる」株価推移となっている。上場来高値奪回から一段の上値追いが見込まれる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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