パナソニックHD、世界初のガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池を開発、「Fujisawa SST」で長期実証実験スタート

■ガラスと太陽電池が一体化

 パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)<6752>(東証プライム)は31日、ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池のプロトタイプを開発し、技術検証を含めた1年以上にわたる長期実証実験を、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)内に新設されたモデルハウス「Future Co-Creation FINECOURTⅢ」で開始したと発表。

 パナソニックHDはペロブスカイト太陽電池を、まち・くらしに調和する「発電するガラス」と位置づけ、再生可能エネルギーの創出と都市景観の調和を両立するとともに、CO2削減へのインパクトとして貢献していく。実証実験を通して発電性能や耐久性等の確認などを行いながら、事業化に向けて技術開発を加速していく。

※世界初:ガラス建材一体型として、2023年8月31日現在・パナソニックHD調べ

■背景

 カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、更なる再生可能エネルギーの創出手段として太陽電池の普及が求められている。しかし、日本のような平地面積が少なく、建物の屋上も設置面積が限られるところでは、建物の窓や壁面等を利用した発電が不可欠となってくる。しかし従来の結晶シリコン系の太陽電池では、透光性やデザイン面の観点から窓などのガラス部へ設置が課題だった。

 パナソニックHDのガラス建材一体型のペロブスカイト太陽電池は、これらの課題を解決し、都市部を含めた太陽電池の設置場所の大幅な増大への貢献ができるものと考えている。また、地産地消の観点では、災害時などの電力供給システムの強靱化(レジリエンス向上)にも貢献することが期待されている。

■実証実験の概要

・設置場所:Fujisawa SST内に新設されたモデルハウス
 「Future Co-Creation FINECOURTⅢ」
 南南東に面した2階バルコニー部分
・実証期間:2024年11月29日(金)まで(予定)
・ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池プロトタイプの仕様:
 設置するバルコニーサイズ:W3,876mmxH950mm
 ここにグラデーション状の透過型のペロブスカイト太陽電池を配置
・実証項目:
 目隠し性と透光性を両立させたデザインとともに、長期設置による発電性能や耐久性などの検証
・連携協力先:三井不動産レジデンシャル株式会社様
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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