【どう見るこの株】フィットは反落も2Qの過去最高売り上げを手掛かりに「脱炭素」関連の割安株買いが交錯

 フィット<1436>(東証グロース)は、前日24日に10円安の845円と4営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、291円安と続落したことから昨年9月以来の高値水準までリバウンドしてきた同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ昨年12月11日に発表した今2024年4月期第2四半期(2023年5月~10月期、2Q)累計決算で、売り上げが2Qとして過去最高となったことを手掛かりに再生エネルギー関連の「脱炭素」の割安株買いが交錯した。今4月期通期純利益が、連続して過去最高を更新すると予想されていることから連続増配が観測されていることもフォローの材料視されている。

■コンパクトハウス販売が31%増と好調でアセット管理件数も続伸

 同社の今4月期2Q累計業績は、売り上げが46億2500万円(前年同期比2.9%増)と2Qとして過去最高となり、利益は、人材投資を継続し新規事業の創出投資も積極化した負担増から営業利益が2億円(同34.2%減)、経常利益が1億9100万円(同39.4%減)、純利益が1億1100万円(同35.3%減)となった。このなかでソーラー発電搭載のコンパクトハウスを販売する住まいの脱炭素事業で、販売棟数は前年同期の88棟から116棟に31.8%増となって売り上げ27億3100万円(前年同期比25.3%増)、営業利益1億7400万円(同19.5%減)、アセット管理事業の管理件数は1920件から1980件に伸びて売り上げ6億1800万円(同10.8%減)、営業利益2億円(同2.5%増)となり、また個人投資家向けのクリーンエネルギー情報・サービスプラットフォーム「脱炭素デキルくん」では、登録者が1万1303人と1万人を超えるとともに、投資用ソーラー発電所の売買サイトも新設した。

 今4月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ100億円(前期比12.9%増)、営業利益5億8500万円(同10.2%増)、経常利益5億7000万円(同10.6%増)、純利益3億6000万円(同11.2%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。今期配当は、年間12円(前期実績12円)を予定しているが、配当性向15%程度をメドとする同社の株主還元政策に期待して増配が観測されている。

■GC示現で上昇トレンド転換しPER9倍、PBR0.7倍の割安修正加速

 株価は、昨年4月に同社子会社がLAホールディングス<2986>(東証グロース)の子会社と資本・業務提携しヘルスケア施設のクリーン化を進めたことを材料に昨年来高値1286円まで急伸し、その後のリビングプラットフォーム<7091>(東証グロース)や東急不動産ホールディングス<3289>(東証プライム)の子会社との資本・業務提携などでも高値反応したが、足元ではほぼ往って来いの788円まで調整し、2Q累計業績を手掛かりに800円台央までリバウンドし、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは9.5倍、PBRは0.72倍と割安であり、割安修正の加速による一段の上値追いから昨年来高値1286円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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