神鋼商事は24年3月期通期利益・配当予想を上方修正

(決算速報)
 神鋼商事<8075>(東証プライム)は2月7日の取引時間中に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。自動車や半導体向けの非鉄金属の取扱量減少などで全体として売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。ただし通期利益予想を上方修正し、前回予想に比べて減益幅が縮小する見込みとした。鋼材価格の上昇や円安効果などに加えて、販管費の増加が想定を下回ることも寄与する見込みだ。なお期末配当予想も上方修正した。第1四半期がボトムとなった可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は利益・配当予想の上方修正を好感する形で急伸した。そして一気に上場来高値を更新した。依然として指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期通期利益・配当予想を上方修正

 24年3月期第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比0.3%減の4335億30百万円、営業利益が5.7%減の92億82百万円、経常利益が11.5%減の85億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が6.9%減の65億29百万円だった。

 自動車や半導体向けの非鉄金属の取扱量減少などで全体として売上高が横ばいにとどまり、各利益は販管費増加なども影響して減益だった。営業外収益では受取配当金が2億35百万円増加、デリバティブ評価益が7億19百万円増加、持分法投資利益が5億27百万円減少、営業外費用では支払利息が6億38百万円増加、為替差損が5億57百万円増加した。特別利益では前期計上の固定資産売却益4億29百万円が剥落、投資有価証券売却益が3億53百万円増加した。

 セグメント利益(経常利益)を見ると、鉄鋼は10.4%増の45億27百万円だった。米国子会社の金融収支悪化の影響があったが、国内自動車生産台数の緩やかな回復や造船・建築分野の堅調推移により取扱量が横ばいとなり、鋼材価格上昇効果も寄与した。鉄鋼原料は10.4%減の10億60百万円だった。重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいてバイオマス燃料などの取扱量が堅調に推移して増収だが、神戸製鋼所の粗鋼生産減産に伴って主原料の取扱量が減少し、原料価格下落も影響した。

 非鉄金属は48.1%減の11億53百万円だった。車載用コネクター関連の銅製品が堅調だったが、空調向け銅製品や自動車向けアルミ製品の取扱量減少などにより減収減益だった。機械・情報は11.4%増の13億50百万円だった。増収増益だった。国内では電池関連材料が減少したものの、メンテナンスビジネスや建機部品関連が好調に推移し、海外では韓国において建機部品輸出が増加した。

 溶材は14.7%減の4億90百万円だった。国内の造船・建築向けが堅調で価格も上昇して増収だが、中国向け輸出の減少により減益だった。その他(不動産賃貸事業等)は17百万円の損失(前年同期は3億86百万円の利益)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1365億86百万円で経常利益が21億46百万円、第2四半期は売上高が1428億25百万円で経常利益が28億67百万円、第3四半期は売上高が1541億19百万円で経常利益が35億50百万円だった。経常利益の前年比を見ると第1四半期は46.5%減だったが、第2四半期は20.6%増、第3四半期は7.9%増となる。第1四半期がボトムとなった可能性が高いだろう。

 通期の連結業績予想については2月7日付で売上高を下方修正、各利益を上方修正して、売上高が23年3月期比0.7%増の5890億円、営業利益が9.4%減の122億円、経常利益が6.1%減の119億円、そして親会社株主帰属当期純利益が4.3%減の88億円としている。配当予想(23年11月8日付で第2四半期末5円上方修正)についても2月7日付で期末50円上方修正して23年3月期比15円減配の300円(第2四半期末125円、期末175円)としている。予想配当性向は30.0%となる。

 前回予想に対して売上高を630億円下方修正したが、営業利益を14億円、経常利益を19億円、当期純利益を17億円、それぞれ上方修正した。非鉄金属の取扱量減少などにより売上高は計画を下回るが、利益面は前回予想に比べて減益幅が縮小する見込みとした。鋼材価格の上昇や円安効果などに加えて、販管費の増加が想定を下回ることも寄与する見込みだ。

 修正後のセグメント別経常利益計画は、鉄鋼が16億円上方修正して前期比9億円増益の60億円、鉄鋼原料が前回計画を据え置いて前期比横ばいの15億円、非鉄金属が7億円下方修正して前期比12億円減益の15億円、機械・情報が8億円上方修正して前期比1億円減益の21億円、熔材が1億円上方修正して前期比1億円減益の7億円、その他が1億円上方修正して前期比3億円減益の1億円としている。

 第1四半期がボトムとなった可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は急伸して高値更新

 株価は利益・配当予想の上方修正を好感する形で急伸した。そして一気に上場来高値を更新した。依然として指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。2月7日の終値は6750円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1000円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS8235円14銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約598億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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