ベステラは25年1月期1Q営業・経常黒字転換、通期予想を上方修正

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東証プライム)は6月7日の取引時間終了後に25年1月期第1四半期連結業績を発表した。豊富な受注残を背景に第1四半期として過去最高の売上高となり、不採算工事清算の影響などを吸収して営業・経常黒字転換した。そして通期予想を上方修正した。前期に受注した大型工事が想定を上回るペースで順調に進捗し、スクラップ売却益や追加工事獲得なども寄与する見込みだ。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお株主還元方針を変更し、累進配当を導入することを発表した。株価は安値圏でモミ合う形だが、調整一巡感を強めている。好業績を評価して反発を期待したい。

■25年1月期1Q営業黒字転換、通期予想を上方修正

 25年1月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比92.4%増の29億58百万円、営業利益が17百万円(前年同期は35百万円の損失)、経常利益が15百万円(同37百万円の損失)、そして親会社株主帰属四半期純利益が29百万円の損失(同31百万円の損失)だった。

 豊富な受注残を背景に第1四半期として過去最高の売上高となり、不採算工事清算の影響などを吸収して営業・経常黒字転換した。完成工事高は95.7%増の28億87百万円、売上総利益は79.7%増の3億92百万円、販管費は47.8%増の3億75百万円だった。

 セグメント別に見ると、解体・メンテナンス事業の売上高が95.7%増の28億87百万円で営業利益(全社費用等調整前)が85.4%増の3億73百万円、その他事業(人材サービス事業など)の売上高が15.1%増の71百万円で営業利益が12.4%増の19百万円だった。

 完成工事高の業界別構成比は電力が26%、製鉄が21%、石油・石化が34%、ガスが2%、3Dが1%、環境が6%、その他が10%だった。完成工事高に占める元請案件は13億91百万円で元請比率は過去最高の48%となった。単体ベースの完成工事高は25億52百万円で、工事監督者1人当たり完成工事高は35百万円だった。また第1四半期末時点の受注残高は71億10百万円で、業界別構成比は電力が27%、製鉄が47%、石油・石化が23%、環境が1%、その他が2%となっている。

 通期連結業績予想は6月7日付で上方修正し、売上高が24年1月期比17.1%増の110億円、営業利益が102.5%増の5億円、経常利益が47.2%増の6億円、親会社株主帰属当期純利益が73.1%増の4億円としている。配当予想は据え置いて24年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は44.3%となる。

 期初計画に対して売上高を10億円、営業利益を80百万円、経常利益を80百万円、親会社株主帰属当期純利益を50百万円、それぞれ上方修正した。前期に受注した大型工事が想定を上回るペースで順調に進捗し、スクラップ売却益や追加工事獲得なども寄与する見込みだ。なお不採算工事清算の影響は第1四半期で終了し、第2四半期以降は利益率が上昇する見込みとしている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお株主還元方針を変更し、累進配当を継続的に実施していくことを基本方針とした。配当性向は40%を目安とすることに加え、DOE(株主資本配当率)3.5%以上を目安に累進的に配当する。25年1月期より適用する。

■株価は調整一巡

 株価は安値圏でモミ合う形だが、調整一巡感を強めている。好業績を評価して反発を期待したい。6月7日の終値は939円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS45円14銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS461円31銭で算出)は約2.0倍、そして時価総額は約84億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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