免疫生物研究所の子会社、SFTSウイルス抗体遺伝子に関する独占的実施許諾契約を締結、画期的治療薬開発へ

■mRNA技術と抗体技術の融合で、ダニ媒介性感染症「SFTS」治療薬開発に大きく前進

 免疫生物研究所<4570>(東証グロース)の子会社である株式会社AI Bio(AIBio)は6月20日、韓国のSML Biopharm Co.,Ltd.(SML)と、SFTSウイルスに対する抗体遺伝子配列を治療薬目的にて使用する独占的実施許諾契約を締結したと発表。同契約により、AIBioが保有する高活性の抗SFTSウイルス抗体の遺伝子情報と、SMLのmRNA技術を活用して有望なSFTS治療薬の開発が期待される。

 AIBioは、ダニ媒介性感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの中和抗体の治療薬開発に関して、早期の導出を模索していた。近年、mRNAワクチンは新型コロナウイルスのワクチンとして世界中で広く使用され、その効果と重要性が確認されている。SMLはmRNA技術を治療薬開発に応用することに特化しており、SFTSウイルス抗原タンパク質のmRNAワクチンの開発にも取り組んでいる。今回、SMLはAIBioが保有する抗SFTSウイルス抗体の遺伝子配列を利用したmRNAを直接体内に投与する治療薬の開発を希望し、両社間で独占的実施許諾契約を締結するに至った。

 契約内容についてはSMLとの守秘義務があり詳細は開示されていないが、契約一時金を抑え、開発進捗に応じたマイルストーン収入と、販売開始後のロイヤリティ収入を得る形式となっている。AIBioは引き続き、アジア圏の医薬関連企業等を中心に導出活動を継続する方針であり、同契約がもたらす中長期的な企業価値向上が期待されている。2025年3月期の連結業績に与える影響は軽微と予想されるが、開発が進むことで業績に重要な影響を及ぼす可能性がある場合は速やかに開示する予定としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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