インフォマート、サントリービジネスシステム、「BtoBプラットフォーム 請求書」導入で、ひと月の労働時間を720時間削減

■年間約7割のコストを削減し、サントリーグループ全体で経理DXを推進

 デジタルの力であらゆる業務を効率化するインフォマート<2492>(東証プライム)は7月10日、同社が提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」が、サントリービジネスシステム(本社:東京都港区)に導入された発表。

■サントリービジネスシステムより伺った導入理由・効果等
(取材協力)グループ経理部 部長、グループ経理部 担当者

・「BtoBプラットフォーム 請求書」導入前の課題

 サントリービジネスシステムは、サントリーグループ各社の経理、人事、総務等の機能を担うシェアード会社である。サントリーホールディングス株式会社をはじめ、サントリーグループの事業会社が発行する、飲料や酒類等の売買以外の請求書発行業務を集約している。

 「BtoBプラットフォーム 請求書」導入前は、各事業会社9社から届く、月間約750件の債権伝票申請書と請求書の仕分けをしてから、請求書の押印、封入封かん、郵送、印刷、保管を行っていた。さらに、それらを業務用スキャナにかけ、中国・大連にあるオペレーションセンターで別途伝票入力を代行していた。事業会社間で請求書を郵送するリードタイムを考慮するため、月末月初に作業が集中してしまう点が課題になっていた。

■導入の決め手

 2018年夏頃、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)がトップダウンのプロジェクトとなり、各現場の業務デジタル化が大きく進んだ。「BtoBプラットフォーム 請求書」の導入も、その一環である。

 他サービスと比較・検討した結果、2017年当時、利用企業数が16万社を超え(2024年7月現在は105万社以上)、取引先は無料で利用できて負担をかけない点が決め手になった。電子発行できない取引先へはオプションで郵送代行サービスを利用でき、郵送代行で発行された請求書には仮IDとパスワードが記載されているため、別途催促しなくても「BtoBプラットフォーム 請求書」で受け取ってくださる取引先が増えることを期待していた。

■導入効果

(1)月間約750件の請求書をペーパーレス化、グループ各社の請求書発行業務も集約

 「BtoBプラットフォーム 請求書」の導入により、発行する月間約750件の請求書をペーパーレス化できた。各グループ会社にもスキームを広め、グループ会社約40社の請求書も「BtoBプラットフォーム 請求書」で発行している。合計すると、500社を超える取引先に対し、月間1,800件あまりの請求書を電子データで、540件ほどを郵送代行サービスで発行している。

(2)ワークフローシステムとのAPI連携で、シームレスなフローが実現
 請求書発行に係る月間720時間の労働時間、年間約7割のコストを削減

 導入後は、各拠点でワークフローシステムに入力された債権データが、電子承認後、会計システムに登録され、API連携により「BtoBプラットフォーム 請求書」から自動発行される仕組みである。これにより、処理1件にかかる作業時間を大幅に削減できた。

 また、総務管轄の稟議書や決裁データ、支払いデータ、電子契約書もワークフローシステムに組み込まれているので、全体的にペーパーレス化できている。こうしたシームレスなフローの実現で、試算では請求書発行に係る作業時間が月間720時間ほど短縮できた。人件費等も算出すると、年間約7割のコスト削減効果がある。

■今後の展望

 請求書の発行業務は、ワークフローシステムや「BtoBプラットフォーム 請求書」をはじめとするデジタルツールでシームレスなスキームを実現できた。

 一方、請求書の受領業務については、未だに紙やPDFで受け取るものが大半となっているのが実状である。やはりスキャンする手間を考えると、「BtoBプラットフォーム 請求書」のようにデータで受け取る『データtoデータ』が1番望ましいと思っている。データでやりとりし、改ざんやミスのない理想の世界を目指したいである。とはいえ1社で取り組むには限界があるので、社会全体が同じ方向を向いて一緒にやらないと難しいとも思っている。

 昨年来、インボイス制度の施行や電子帳簿保存法の改正等を契機とし、請求書の電子発行・電子保存について活発な動きになってきていることを肌で感じている。この流れを一時的なものとせず、社会全体に広がっていく、そんなムーブメントに繋げていきたいと考えている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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