トイレの汚い会社の株は買うな=犬丸正寛の相場格言

【先人の教えを格言で解説!】
(犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に残した相場格言を定期的に紹介。)※最新の情報に修正を加えてあります。

■トイレの汚い会社の株は買うな(内部管理体制がしっかりしていない会社の株は買うな)

「トイレの汚い会社の株は買うな」という格言は、今では少し時代遅れに感じるかもしれません。現代の上場企業でトイレが汚い会社はほとんど見かけません。しかし、この格言が生まれた昭和40年代初めの高度成長期には、企業の姿勢や品質管理の重要性が強調され始めた時期でした。

当時は「安かろう、悪かろう」が通用していた時代でしたが、経済が発展するにつれて、消費者は「良い物」を求めるようになりました。その中で、「トイレが汚れているような会社では、良い製品は作れない」という考え方が広まりました。トイレの清潔さだけでなく、経営者の行動や社員の態度など、企業全体の品格が問われるようになったのです。

現在では、どの企業もオフィスやトイレを清潔に保っていますが、ここ数年で企業の不祥事が相次いでいます。例えば、サプリメントの健康被害問題、自動車各社の不正申請問題、ビッグモーターの保険金不正請求問題やジャニーズ事務所の性加害問題などが挙げられます。表面上見た目は綺麗でも、商道徳や企業倫理が欠如していることが原因と考えられます。時代は繰り返すと言いますが、現代社会もまた「儲けたら勝ち」という風潮が強まっているように感じます。この格言は、今でも有効な教訓として生き続けています。

現代風に言い換えるならば、「内部管理体制がしっかりしていない会社の株は買うな」ということになるでしょうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る