NECとNEC Bio、がん免疫療法に重要なT細胞受容体を予測する生成AIモデルを開発

■従来手法の課題を克服、短期間で効果的な治療法開発へ

 NEC<6701>(東証プライム)とNECの創薬事業においてAIを活用した最先端の研究と臨床開発を担うNEC Bioは11月7日、独自の生成AI技術を活用し、がん細胞由来抗原に対して高い反応性を示すTCR配列を予測する生成AIモデルを開発したと発表。従来のがん免疫療法におけるTCR同定には、複雑な実験手順が必要であり、開発の障壁となっていた。新たに開発された生成AIモデルは、この課題を解決する可能性を秘めている。

 開発されたAIモデルは、がん細胞由来抗原と物理化学的なデータに基づくTCR相互作用情報を学習し、目的の抗原に対して反応性の高いTCR配列を予測する。従来のTCR配列改変AIモデルと比較して、確度と精度の面で高い性能を示している。愛知県がんセンターとの共同研究により、設計されたTCRがセルベースアッセイにおいて反応性を示すことが確認された。

 同研究成果は、米国がん免疫療法学会の年次総会(SITC 2024)で発表される。NEC執行役の西原基夫氏は、同技術ががん免疫療法開発に大きな貢献をもたらすことへの期待を示している。NECグループは、AIを活用した革新的な医療を世界中の患者に届けるというミッションの実現に向けて、さらなる研究開発を進めていく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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