【株式市場特集】地銀株がバリュー投資の宝庫に!日米中銀の決断が運命を分ける

■業績上方修正、増配、自己株買い…メガバンクが躍進

 同コラムでは、11月11日付けで業績を上方修正し配当を増配した地銀株を中心に取り上げた。ただ銀行株は、なお低PER・PBR、高配当利回りのバリュー株の宝庫である。低PBRに至っては、全市場ベースの低PBRランキングのトップ5には、5行がランクインし、このうち第1位に並ぶ高知銀行<8416>(東証スタンダード)と宮崎太陽銀行<8560>(福証)のPBRはわずか0.16倍にとどまる。銀行株に広く網を張って日米中央銀行の12月18日、19日の「運命の日」のイベントを待つのも一法となりそうだ。

■通期業績上方修正でPBR0.2倍、PBR7倍、配当利回り4%

 銀行株のうち全市場ベースの低PERランキングの上位行で低PER、高配当利回りのトリプル割安株は、今3月期業績を上場修正し配当も増配した銘柄に目立つ。岩手銀行<8345>(東証プライム)は、PBRが0.23倍で、今期通期業績を上方修正してPERは7.2倍、配当を増配して配当利回りは4.35%の評価にしか過ぎない。同様の三十三フィナンシャルグループ<7322>(東証プライム)も、PBR0.26倍、PER7・0倍、配当利回り4.30%、四国銀行<8387>(東証プライム)は、9月中間期業績を上方修正して3月通期業績は据え置きとしたものの、株主還元方式を変更して配当を年間50円に増配し、PBR0.28倍、PER7.4倍、配当利回り4.37%と割り負けており、上値余地を示唆している。

 今3月期通期業績は期初予想の据え置きとしたが、今期中間業績を上方修正した銘柄にも低PBR・PER、高配当利回りのトリプル割安株が目立つ。低PE順にあげると大光銀行<8537>(東証スタンダード)のPBR0.17倍、PER6.4倍、配当利回り4.11%以下、清水銀行<8364>(東証プライム)、トマト銀行<8542>(東証スタンダード)、東和銀行<8558>(東証プライム)、大東銀行<8563>(東証スタンダード)と続き、すべて配当利回りは4%を超える。

■年初来高値更新と先行のメガバンクにはなおフルセットのサポート

 メガバンクは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)と三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)が、今3月期通期業績の上方修正と増配に自己株式取得・消却が加わったトリプルセット材料で年初来高値を更新し、ようやくPBR1倍をクリアしたところだが、なお両社株ともPERは12倍台、配当利回りは3%台と市場平均より割り負けている。同様のトリプルセット銘柄のみずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)のPBR0.93倍、PER11.7倍、配当利回り3・40%修正の追撃は必至となる。自己株式取得・消却を発表した三井住友トラストホールディングス<8309>(東証プライム)も、PBRは0.87倍、PERは11.2倍、配当利回りは3.82%の評価にしか過ぎない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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