ジェイエスエスは25年3月期連結業績予想を下方修正、26年3月期収益拡大期待、M&A強化戦略で次期収益拡大へ布石

(業績修正速報)
 ジェイエスエス<6074>(東証スタンダード、名証メイン)は、3月13日に25年3月期連結業績予想の下方修正を発表した。新規会員獲得を目的とする子供会員集客の各種施策で一定の成果が得られたものの、新規会員獲得が計画に届かず、販促キャンペーンに係る販売促進費の増加も影響する見込みとなった。積極的な事業展開で26年3月期の収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く安値圏だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、下値は限定的だろう。

■25年3月期連結業績予想を下方修正、26年3月期収益回復期待

 25年3月期の連結業績(当期よりワカヤマアスレティックスを子会社化して連結決算に移行)予想について、3月13日に下方修正を発表し、売上高が83億60百万円、営業利益が2億41百万円、経常利益が2億51百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億65百万円とした。配当予想(1月16日付で配当政策変更を発表、累進配当導入と25年3月期配当予想上方修正)は据え置いて、24年3月期比3円増配の17円50銭(第2四半期末7円50銭、期末10円)としている。予想配当性向は40.7%となる。

 前回予想(24年11月14日付で公表)に対して、売上高を70百万円、営業利益を1億79百万円、経常利益を1億69百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億05百万円、それぞれ下方修正した。新規会員獲得を目的とする子供会員集客の各種施策(入会キャンペーンや体験会の実施、過去に会員であった人を対象としたカムバックキャンペーン、年初からの新春ニコニコキャンペーンなど)で一定の成果が得られたものの、新規会員獲得が計画に届かず、販促キャンペーンに係る販売促進費の増加も影響する見込みとなった。

 なお第3四半期累計の連結業績は売上高が63億91百万円、営業利益が2億89百万円、経常利益が2億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億02百万円だった。前年同期の非連結業績(売上高62億01百万円、営業利益3億50百万円、経常利益3億61百万円、四半期純利益2億36百万円)との比較で見ると、人件費増加や一時的費用発生などで減益だが概ね順調だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると第1四半期は売上高19億56百万円で営業利益43百万円、第2四半期は売上高22億52百万円で営業利益1億66百万円、第3四半期は売上高21億83百万円で営業利益80百万円だった。

 修正後の通期連結業績予想を、前期の非連結業績(売上高81億31百万円、営業利益3億89百万円、経常利益4億06百万円、当期純利益2億18百万円)との比較で見ると、売上面は小幅増収だが、各利益は減益の形となる。24年11月にはM&A強化戦略を発表しており、積極的な事業展開で26年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は反発力が鈍く安値圏だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、下値は限定的だろう。3月13日の終値は433円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円01銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円50銭で算出)は約4.0%、前期実績PBR(前期実績のBPS728円29銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約17億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る