【マーケットセンサー】新年度の株価を読む:4月から値上げラッシュ、商品市況、そして投資戦略

■コメ、鶏卵、金:商品市況の変動と注目すべき関連銘柄

 4月、私たちの生活に密接な食品、電力、電鉄を中心に、値上げの波が押し寄せる。この背景には、原材料価格の高騰、物流費の増加、そして企業の賃上げ努力がある。消費者による値上げの受け入れは、関連企業の株価を押し上げる可能性がある。しかし、一方で、節約志向の強まりによる消費の冷え込みも懸念される。投資家にとって、この状況は大きなチャンスとなりうる一方で、慎重なリスク管理が求められる局面だ。

 食品業界では、サッポロホールディングス、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングスなどのビール株、森永乳業、雪印メグミルクといった乳業株、そしてカルビー、キユーピー、東洋水産、日清食品ホールディングスなどの食品メーカーが値上げを予定している。特に注目されるのは、業績のV字回復と増配を見込むキリンホールディングスや、業績上方修正が期待されるケンコーマヨネーズだ。これらの企業の株価は、価格改定への高感応度を発揮しそうだ。。

 4月1日には電気料金の値上げも予定されており、東京電力ホールディングスを除く電力会社9社は、依然としてPBR1倍割れの水準にある。中でも、中国電力は業績の度重なる上方修正と増配を発表し、投資家の関心を集めている。また、JR西日本、南海電気鉄道、JR九州などの電鉄株も値上げを予定しており、これらの企業も業績の回復を目指している。さらに、コメ価格や鶏卵価格の高騰、金価格の上昇など、商品市況の変動も株価に影響を与える可能性がある。木徳神糧、ヤマタネ、ホクリョウ、イフジ産業、日和産業、中外鉱業、松田産業などの関連銘柄の動向からも目が離せない。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る