【マーケットセンサー】国会論戦熱を帯びる食品消費税減税、関連マーケットにも波及

■消費税減税論議と市場の動向

 夏の参院選を控え、消費税減税を求める声が与野党双方から高まりを見せている。特に食料品に対する軽減税率のさらなる引き下げや一部非課税化について、各党が具体的な提案を打ち出す動きが顕著だ。衆院予算委員会の集中審議では、慎重な姿勢を崩さない石破首相に対し、野党各党が一斉に減税の必要性を訴えた。物価高が続く中、生活必需品である食料品の税負担軽減は国民生活に直結する課題として政治の焦点となっている。

■物価高対策として浮上する食料品減税 市場は先読み動く

 株式市場においても、この政策動向を先読みする動きが見られ始めた。与野党が揃って政策対応を急ぐ食料品の消費税減税に関連する業種の株価に変化の兆しが現れている。特にコメを始めとする主食や生鮮食品の分野で、前週末には象徴的な動きも確認された。折しも最高値更新が止まらないコメ価格を含む食料品価格の上昇は、政府にとって緊急の対応を迫られる課題でもある。消費税減税という政策カードが選挙戦略として浮上する中、市場は既にその影響を織り込み始めているといえよう。

 こうした食料品の消費税減税関連の動向は、トランプ大統領の相互関税政策による市場混乱時にも注目された分野だ。「過度の警戒感」から「軽度の安心感」へとトレンドが転換する中でも、独自の値動きを見せている点は興味深い。国内政局も6月22日の国会会期末を控え、東京都議会議員選挙、参議院議員選挙と政治日程が続く。7月9日には一時停止されていた米国の相互関税期限も迫り、経済対策や物価対策が選挙の争点として浮上することは確実だ。終盤国会での消費税減税論議の行方次第では、関連業種の株価が再び注目を集める展開も十分考えられる。投資家にとっては、政治動向と市場の関係性を見極める好機となるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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