【株式市場特集】中東緊張で日経平均急落も防衛・石油株は逆行高、「コメ」「アブラ」関連株は高値でも買い傾向続く

■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に

 イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均株価は一時632円安と急落したが、防衛関連株や石油株など一部銘柄は逆行高を示した。INPEXや三菱重工業は年初来高値を更新し、軍事情勢の緊迫化や原油価格高騰が追い風となった。今後の株価動向は中東情勢次第で、短期戦となるか長期化するか不透明な状況だ。現状ではリスクオフが優勢だが、逆行高銘柄への順張りが無難とされ、「コメ」関連株も「アブラ」関連株も価格が高いうちは買いという傾向が続きそうだ。

■鉱業株、海運株は割安修正に再発進し重工3社は信用好需給がフォロー

 原油価格高騰では、和製メジャーといわれる鉱業株への注目度がまず高まる。INPEXは、前週末13日に年初来高値を更新し、石油資源開発<1662>(東証プライム)は、東証プライム市場の値上り率ランキングの第22位にランクインしたが、なおPERは8倍、9倍と割安で、同業のK&Oエナジーグループ<1663>(東証プライム)もPER12倍の低評価にとどまる。石油元売りの出光興産<5019>(東証プライム)、ENEOSホールディングス<5020>(東証プライム)、コスモエネルギーホールディングス<5021>(東証プライム)も、低PER・PBRで割り負けしており、石油開発関連の三井海洋開発<6269>(東証プライム)は、前週末13日に一時、上場来高値を更新した。資源関連株の一角に位置付けられる5大商社株も、バリュー株揃いで三井物産<8031>(東証プライム)、三菱商事<8058>(東証プライム)などをマークするところだろう。ホルムズ海峡封鎖なら、逆に海運市況の上昇も予想される海運株も要注目で、日本郵船<9101>(東証プライム)、商船三井<9104>(東証プライム)、川崎汽船<9107>(東証プライム)の海運大手3社がリード株となろう。

 防衛関連株では、三菱重工業<7011>(東証プライム)、川崎重工業<7012>(東証プライム)、IHI<7013>(東証プライム)の重工3社が、年初来高値・上場来高値追いとなっており、投資採算的にはやや割高水準となっているが、信用取組が拮抗して好需給となっており、強弱感対立のなか上値を追う展開も想定される。防衛関連株で割安なのは、小型株で火薬の細谷火工<4274>(東証スタンダード)、機雷の石川製作所<6208>(東証スタンダード)で石川製作所は、前週末13日に3カ月ぶりに年初来高値を更新した。防毒マスクの重松製作所<7980>(東証スタンダード)、興研<7963>(東証スタンダード)も割安関連株として外せない。

■最高値肉薄の金先物価格関連で産金株、リデュース株、リユース株に再出番

 前週末13日の米国のニューヨーク商品取引所では、金先物価格が一時、65.6ドル高の1トロイオンス=3468ドルと大幅続伸して今年4月22日につけた上場来高値3509.9ドルに肉薄した。中東情勢の緊迫化で安全資産買いが強まってことが背景で、これを先取りして13日の東京市場でも、買取王国<3181>(東証スタンダード)が一時、年初来高値を更新した。関連株としては前週末は反落したが三井金属<5706>(東証プライム)、三菱マテリアル<5711>(東証プライム)、住友金属鉱山<5713>(東証プライム)、DOWAホールディングス<5714>(東証プライム)の産金関連の非鉄株が本命株となろう。貴金属回収・再生のリデュース株の中外鉱業<1491>(東証スタンダード)、イボキン<5699>(東証スタンダード)、AREホールディングス<5857>(東証プライム)、松田産業<7456>(東証プライム)も関連人気を高めよう。

 買取王国に代表される貴金属買い取り・再販のリユース株にもビジネスチャンスの拡大が期待されるところで、コード番号順に上げるとハードオフコーポレーション<2674>(東証プライム)、ゲオホールディングス<2681>(東証プライム)、コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)、トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)、シュッピン<3179>(東証プライム)、BuySell Technologies<7585>(東証グロース)などと続き、低PER修正に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る