ケンコーマヨネーズ、26年3月期1Q大幅減益も2Q以降の挽回期待、価格改定効果が通期業績押上げへ
- 2025/8/12 07:52
- 決算発表記事情報

ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は8月8日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。期間限定メニューの採用減少などで小幅減収となったほか、原材料価格の高騰なども影響して大幅減益だった。ただし通期の小幅減益予想を据え置いた。第1四半期の利益進捗率はやや低水準の形だが、価格改定と販売数量対策の進捗により通期予想の達成を目指す。積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。株価は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■26年3月期1Q大幅減益だが通期予想据え置き
26年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比1.4%減の226億75百万円、営業利益が56.1%減の7億62百万円、経常利益が55.6%減の7億96百万円、親会社株主帰属四半期純利益が54.4%減の5億60百万円だった。
期間限定メニューの採用減少などで小幅減収となったほか、原材料(鶏卵・野菜)価格の高騰、物流費や人件費の増加なども影響して大幅減益だった。営業利益の前年同期比9億72百万円減益の内訳は、価格改定効果で1億65百万円増益、生産効率悪化で2億14百万円減益、販売数量減少で1億19百万円減益、物流費増加で1億03百万円減益、原材料影響で5億36百万円減益、固定経費等の増加で1億65百万円減益だった。
調味料・加工食品事業(同社単体ベースの事業)は、売上高(外部顧客に対する売上高)が0.6%減の180億85百万円、営業利益(セグメント間取引等調整前)が64.5%減の5億11百万円だった。売上高の内訳はサラダ・総菜類が4.5%減の52億05百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が1.0%減の68億94百万円、タマゴ加工品が3.8%増の55億52百万円、その他が0.3%増の4億33百万円だった。サラダ・総菜類は外食や量販店向けにポテトサラダが伸長したが、ツナサラダやフィリングの減少により減収だった。マヨネーズ・ドレッシング類は外食向けソース類や量販店向け小型タイプドレッシング等の減少により減収だった。タマゴ加工品はたまごサラダやゆでたまごが好調に推移して増収だった。
総菜関連事業等(連結子会社の事業)は売上高が4.1%減の43億98百万円、営業利益が1.9%増の2億48百万円だった。販売先における一部内製化の影響により減収だったが、利益面は価格改定効果により小幅増益だった。その他(サラダカフェ)は売上高が12.5%減の1億91百万円、営業利益が12百万円の損失(前年同期は0百万円の損失)だった。
販路別売上高は外食が1.2%減の65億38百万円、量販店が2.8%減の62億09百万円、CVSが2.5%減の46億65百万円、パンが0.4%増の29億22百万円、給食が1.9%増の10億52百万円、その他が1.7%増の12億85百万円だった。
通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が前期比4.1%増の955億円、営業利益が0.9%減の48億円、経常利益が0.6%減の49億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が8.2%減の32億17百万円としている。配当予想は前期比4円増配の47円(第2四半期末23円、期末24円)としている。連続増配で予想配当性向は21.8%となる。
セグメント別売上高の計画は、調味料・加工食品事業(単体)が前期比5.4%増の757億95百万円(サラダ・総菜類が8.2%増の226億64百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が5.3%増の287億96百万円、タマゴ加工品が2.7%増の223億87百万円、その他が9.0%増の19億48百万円)で、総菜関連事業等(連結子会社)が0.4%減の188億81百万円、その他(サラダカフェ)が4.7%減の8億21百万円としている。
営業利益の前期比45百万円減益の要因別分析(見通し)は、価格改定効果で29億01百万円増益、生産効率化で8億41百万円増益、販売数量増加で2億円増益、物流費増加で4億37百万円減益、原材料影響で16億02百万円減益、固定経費等増加で19億49百万円減益としている。なお価格改定は25年4月1日納品分より約1200品目について実施した。なお生産効率化に関しては、老朽化した関東ダイエットエッグの会津若松工場を26年3月(予定)に閉鎖し、タマゴ加工品35品の生産を同社の静岡富士山工場に集約する。
第1四半期の進捗率は売上高24%、営業利益16%、経常利益16%、親会社株主帰属当期純利益17%で、利益進捗率がやや低水準の形だが、価格改定と販売数量対策(ポテトサラダ・タマゴ加工品の販売強化)の進捗により通期予想の達成を目指す。積極的な事業展開で第2四半期以降の挽回を期待したい。
■株価は反発の動き
株価は反発の動きを強めている。出直りを期待したい。8月8日の終値は1925円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS215円59銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の47円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2678円13銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約317億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)