【この一冊】『「心の病」がみえる脳科学講義』発売、精神疾患の実像に迫る最新研究書

■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊

 翔泳社は11月25日、加藤忠史主任教授による新刊『「心の病」がみえる脳科学講義~精神疾患・発達障害を持つ人の頭の中で何が起きているのか』(定価:2,640円・本体2,400円+税10%)を発売した。同書は、精神疾患や発達障害を「心の問題」ではなく「脳の病気」として捉える視点を軸に、最新の脳科学研究と臨床データを融合させた解説書である。うつ病、統合失調症、双極症、PTSDなど主要疾患を取り上げ、脳がどのように機能し、その異常がどのように症状として現れるのかを具体的に示す。iPS細胞、AI、脳オルガノイドといった先端技術を用いた研究成果が多く紹介され、精神医学がいまどこまで進化しているのかが明快に描かれる。

■心ではなく脳で起きている現象を解明

 同書の核には、著者が長年問い続けてきた「脳をすべて解き明かせば、心も理解できるのか」という根源的テーマが据えられる。精神科医としての臨床経験と研究者としての探求心とが交差し、精神疾患の発症メカニズムから治療の最前線までを科学的かつ人間的な眼差しで追う構成だ。診断学の光と影、自我の境界に迫る統合失調症の章、シナプスの変化と回復を追ううつ病の分析など、最新知見に基づきつつ読者に負荷をかけすぎない語りが特徴である。また、双極症や不安スペクトラムをめぐる章では、心理学的アプローチと脳科学的アプローチの交点が示され、複雑な精神状態を多面的に理解する視座が提示されている。

 さらに、研究現場での苦労や裏話など人間味のあるエピソードも織り交ぜられ、専門書でありながら読みやすく温かみのある仕上がりとなっている。精神疾患の当事者や家族、医療・心理の専門家だけでなく、脳科学やサイエンスに興味を持つ一般読者にとっても学びが大きい。著者が国内外で受賞歴を重ね、研究分野を牽引してきた背景は、本書全体の信頼性を裏付けている。最前線の脳科学が「心の病」の実像にどこまで迫っているのかを知りたい読者にとって、必読の1冊といえる内容である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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