シナネンホールディングス、26年3月期1Q大幅増益、BtoB灯油・石油類販売・シェアサイクル好調
- 2025/8/12 07:53
- 決算発表記事情報

シナネンホールディングス<8132>(東証プライム)は8月8日に26年3月期第1四半期連結業績を発表した。BtoB事業におけるスポット取引減少の影響で全体として微減収だったが、BtoC事業の灯油およびBtoB事業の石油類の販売数量増加、非エネルギー事業におけるシェアサイクル事業の好調などで大幅増益だった。そして通期の営業・経常増益予想を据え置いた。主力のLPガス・石油事業の強化や非エネルギー事業の収益拡大を見込んでいる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。
■26年3月期1Q大幅増益と順調、通期営業・経常増益予想据え置き
26年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.6%減の631億53百万円、営業利益が126.6%増の7億26百万円、経常利益が58.9%増の9億87百万円、親会社株主帰属四半期純利益が49.6%増の5億06百万円だった。
BtoB事業におけるスポット取引減少の影響で全体として微減収だったが、BtoC事業の灯油およびBtoB事業の石油類の販売数量増加、非エネルギー事業におけるシェアサイクル事業の好調などで大幅増益だった。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)は売上高(外部顧客への売上高)が2.3%増の155億13百万円、営業利益(全社費用等調整前)が124.0%増の3億10百万円だった。灯油の販売数量増加や販管費抑制効果などにより増収・大幅増益だった。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)は売上高が2.0%減の420億98百万円、営業利益が39.9%増の2億円だった。売上面はスポット取引減少の影響で減収だったが、利益面は石油類の販売数量増加により大幅増益だった。
非エネルギー事業は、主にシェアサイクル事業とシステム事業の好調により、売上高が1.9%増の54億88百万円、営業利益が51.7%増の2億99百万円だった。シナネンモビリティPLUSのシェアサイクル「ダイチャリ」事業は、25年6月末現在の設置自転車数が1.5万台を超える規模となり、利用件数も順調に推移した。ミノスのシステム事業は主力のLPガス基幹業務システムおよび電力顧客管理システムが安定的に推移した。シナネンアクシアの総合建物管理事業はエリア拡大等の効果で増収だが、原価高騰や人件費増加により減益だった。
通期の連結業績予想は据え置いて売上高が前期比15.8%増の3673億円、営業利益が9.7%増の44億円、経常利益が9.3%増の49億円、親会社株主帰属当期純利益が4.9%減の30億円としている。配当予想は前期と同額の90円(期末一括)としている。予想配当性向は32.6%となる。
26年3月期は増収、営業・経常増益予想としている。前期のスポット取引の反動減があるものの、主力のLPガス・石油事業の強化や非エネルギー事業の収益拡大を見込んでいる。第1四半期の進捗率は売上高が17%、営業利益が17%、経常利益が20%、親会社株主帰属当期純利益が17%と低水準の形だが、冬場が需要期のため下期の構成比が高い収益特性がある。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価は徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月8日の終値は6800円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS275円78銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の90円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS5075円05銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約812億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)