【企業意識調査】海外進出6ポイント減、中国依存後退、成長市場はベトナム・インドが台頭

■大企業と中小の進出意欲に二極化、ベトナムが生産拠点でトップに浮上

 帝国データバンクは11月20日、全国企業を対象に実施した「海外進出に関する企業の意識調査(2025年)」の結果を発表した。海外進出率は18.3%とコロナ禍前の2019年から6ポイント低下し、国内市場の縮小や地政学的リスクが企業マインドを冷やしたことが浮き彫りになった。特に従業員数1,000人超の企業で進出率が59.0%と高く、企業規模による姿勢の差が鮮明となった。直接的な進出では「現地法人の設立」が最多、間接的では「間接的輸出」が主流となり、企業の進出形態が多様化している。

■海外進出率の低下と企業規模の二極化

 調査によると、海外進出「あり」は18.3%にとどまり、「進出していない」が78.7%にのぼった。2019年調査の24.7%からの大幅低下には、コロナ禍やウクライナ情勢などの地政学的リスクが影響した。一方で、大企業では進出意欲が強く、従業員1,000人超の企業では6割が海外展開を行う結果となり、資本力や人材面での差が海外戦略に直結していることが示された。生産・販売拠点の現地法人設立が4.8%、生産拠点4.0%、販売拠点3.8%と、海外での直接展開を進める企業と、輸出や業務委託など間接進出にとどめる企業の構造が明確に分かれた。

■重点地域の変化と新興国の台頭

 海外展開の重点地域は「生産」「販売」とも中国がトップであるものの、重要度は2019年比で大きく低下した。販売拠点では中国が12.3%で首位だが、台湾・インド・インドネシアなどの存在感が増している。今後重視する生産拠点では「ベトナム」が4,605ポイントで首位となり、中国を上回った。販売拠点でも中国とアメリカが同水準で高く、ベトナムや台湾、インドなど成長市場を重視する企業が増加している。アジア新興国への期待は高く、「チャイナ・プラスワン」の動きが鮮明になっている。

■米国関税の警戒感と支援の必要性

 トランプ政権が主導する関税交渉について、「非常に大きな影響がある」は13.5%、「ある程度の影響がある」は42.5%に達した。半数以上の企業が進出先の見直しや撤退、コスト増などのリスクを認識しており、日本企業の国際展開にとって重大な懸念材料となっている。国内市場の縮小が避けられないなか、企業が成長市場を取り込むためには、政府・自治体・公的機関による包括的な支援が急務である。カントリーリスクの情報提供、現地政府との関係構築支援、進出ノウハウや人材育成の強化など、多面的な支援体制の整備が求められる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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