マルマエ、26年8月期大幅増収増益予想で収益拡大基調、半導体・FPD需要増とKMAC通期寄与

 マルマエ<6264>(東証プライム)は、精密部品事業(マルマエ)として半導体・FPD製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工、および機能材料事業(25年4月に子会社化したKMアルミニウム、以下:KMAC)として半導体スパッタリングターゲット用超高純度アルミニウム製品などを展開している。26年8月期は半導体関連の需要拡大や、KMACの通期連結効果(前期は5ヶ月分)により大幅増収増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は10月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。なお12月26日に26年8月期第1四半期決算発表を予定している。

■半導体・FPD製造装置向けの精密切削加工を展開

 精密部品事業(マルマエ)として半導体・FPD製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工、および機能材料事業(25年4月に子会社化したKMアルミニウム、以下:KMAC)として半導体スパッタリングターゲット用超高純度アルミニウム製品などを展開している。また作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月に第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。なおKMACの株式取得にあたって25年4月に設立したSPC(特別目的会社)でKMXを26年1月1日付(予定)で吸収合併する。

 25年8月期は、精密部品事業が売上高77億09百万円で営業利益(全社費用等調整前)18億23百万円、機能材料事業(5ヶ月分)が売上高36億94百万円で営業利益3億85百万円(のれん償却額1億25百万円控除後)だった。売上高の内訳は、精密部品事業が半導体分野61億36百万円、FPD分野12億86百万円、その他分野61百万円、機能材料事業がIT器材分野(半導体・FPD製造用ターゲット材向け消耗材、アルマイト処理等)13億52百万円、半導体装置部材分野(半導体エッチング装置用の真空チャンバー等)7億12百万円、基礎素材分野(電解コンデンサ用・HDD用の高純度アルミ等)16億25百万円だった。

■消耗品受注拡大による安定成長を推進

 25年7月に策定した中期事業計画「Fusion2028」では、グループ経営方針に「素材と加工の技術力で社会に貢献する」を掲げ、グループ中期経営戦略は新素材・新技術の創出による顧客ニーズ取り込み、消耗品受注拡大による安定成長とした。そして最終年度28年8月期の目標数値には売上高250億円、営業利益56億円、ROIC15%を掲げた。株主還元については年間30円を最低配当額(通期最終損益赤字時は再検討)として、配当性向35%以上を目標とする。

 セグメント別の計画(28年8月期)は、精密部品事業が売上高120億円(半導体既存分野60億円、半導体新規分野40億円、FPD・その他分野20億円)、営業利益36億円、営業利益率30%で、機能材料事業が売上高130億円(IT器材分野38.7億円、半導体装置部材分野36.1億円、基礎素材分野55.1億円)、営業利益23億円、営業利益率18%、そして共通営業費用3億円としている。

 また中長期的な取り組みとしてサステナビリティ戦略を推進する。太陽光・蓄電池導入などによりサプライチェーン全体でのGHG削減に取り組むほか、人材・ガバナンス面ではエンジニア育成、全社的リスク管理強化などを推進する。

 25年2月には、国際的な環境非営利団体CDPによる2024年度の気候変動に関する調査において、中小企業向け評価(SME)で最高スコアとなる「B」スコア(マネジメントレベル)を取得した。22年度には「D」スコア(情報開示レベル)、そして23年度には「C」スコア(認識レベル)を取得しており、着実なスコアの向上を実現している。

■26年8月期大幅増収増益予想で収益拡大基調

 26年8月期の連結業績予想(KMACを通期連結、25年8月期は5ヶ月分を連結)は、売上高が前期比50.8%増の172億円、営業利益が33.1%増の28億円、経常利益が34.3%増の26億円、親会社株主帰属当期純利益が25.4%増の17億円としている。配当予想は前期比16円増配の56円(第2四半期末28円、期末28円)としている。連続増配で予想配当性向は41.7%となる。

 精密部品事業(マルマエ)が半導体分野を中心とする需要拡大に伴って伸長し、機能材料事業(KMAC)の通期連結も寄与する。セグメント別の計画は、精密部品事業の売上高が82億円で営業利益(全社費用等調整前)が19億円、機能材料事業の売上高が90億円で営業利益が12億円としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年8月末時点で6ヶ月以上継続保有株主対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)については、毎年8月末日現在で6ヶ月以上継続1単元(100株)以上保有株主を対象としてクオカードを贈呈している。

■株価は調整一巡

 株価は10月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。12月1日の終値は1812円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS134円26銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の56円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS643円76銭で算出)は約2.8倍、そして時価総額は約237億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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