【特集】リスクオンとリスクオフを足して二で割る選択肢!「01銘柄」とは?

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 昨今は、「01銘柄」が、株価テーマとして取り上げられることがほぼなくなった。それがここに来て新たなビジネスモデルの確立に向け潤沢な手元資金を活用してM&Aを積極推進やグループ会社の再編など主戦場を大胆に変換するパラダイムシフトに拍車を掛けている。株価的にも、かつてはブランド価値が上乗せされ割高だったのが、PER、PBR、配当利回りなどでも市場平均を下回る「01銘柄」も多数に上っている。この割り安「01銘柄」のなかでも、業績の上方修正や自己株式取得、グループ企業の再編などのプラスアルファを推進している銘柄は、バリュー株妙味とともに、グロース株的な要素も伴う変化も出てきた。純正「01銘柄」のほか、ミドル「01銘柄」、プチ「01銘柄」などに幅広く目配りして「掉尾の一振」に満を持したい。

■純正「01銘柄」は上方修正、自己株式取得、パラダイムシフトなど相次ぐ

 純正「01銘柄」は、まさに「経団連銘柄」で日経平均株価の構成銘柄に採用されている銘柄である。このうち今年11月に年初来高値をとってきた銘柄が狙い目となる。コード番号順に上げると大成建設<1801>(東1)日立製作所<6501>(東1)伊藤忠商事<8001>(東1)大和証券グループ本社<8601>(東1)日本郵船<9101>(東1)三菱倉庫<9301>(東1)となる。このうち今3月期業績を上方修正したプラスアルファ組は、大成建設と日本郵船で、伊藤忠は大手会社のなかで今期中間決算の増益率が唯一2ケタ増と異彩を放った。

 日立は、今期業績そのものは下方修正したが、今年5月に公表した今後3年間で2兆円~2.5兆円の重点事業投資をする中期経営計画に沿って、自社の自動車部品会社とホンダ<7267>(東1)系部品会社との経営統合を進めるなどパラダイムシフトが相次いでいる。伊藤忠も、ユニーファミリーマートの子会社化のほか、デサント<8114>(東1)への敵対的株式公開買い付けを進め、大和証券は、次世代の総合金融サービス業を目指しクレディセゾン<8253>(東1)と資本業務提携をした。また東武鉄道<9001>(東1)は、投資採算的には市場平均を上回るが、今期業績の上方修正と自己株式取得を同時発表した。

■業績好調のミドル「01銘柄」に材料株人気のプチ「01銘柄」も出色

 ミドル「01銘柄」では、今2019年11月期業績を上方修正したのがニッケ<3201>(東1)で、マークラインズ<3901>(東1)は、「情報プラットフォーム」の月次契約企業が好調に増加、アミューズ<4301>(東1)は、今3月期中間業績が2倍超の増益で着地して通期業績対比で高利益進捗率を示した。松竹<9601>(東1)は、万年割高株だが、今2月期中間業績を上方修正しており、下半期は正月休みなど興行シーズン入りすることから通期業績の動向に注目が集まりそうだ。

 プチ「01銘柄」では、出色の高人気となったのが澤藤電機<6901>(東1)である。今3月期業績を下方修正して株価はやや下ぶれたが、11月18日に木村化工機<6378>(東1)、岐阜大学と共同で低濃度アンモニア水から高純水素を製造し燃料電池で発電することに成功したと発表して株価が、ストップ高を交えて急騰、前週末22日までのわずか4日間で58%高した。またティムコ<7501>(JQS)は、業績の黒字転換とともにスノーピーク<7816>(東1)と資本業務提携しアウトドア分野での展開を強める。ポプラ<7601>(東1)は、2016年11月からローソン<2651>(東1)と共同運営事業として「ローソン・ポプラ」、「ローソン」ブランドの店舗を展開しており、関連の子会社をローソンに売却して約14億円の特別利益を計上し、今2月期純利益はV字回復する。500円台の低位値ごろも買い材料視されよう。

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