クリナップ、26年3月期利益予想上方修正、営業利益54.5%増へ
- 2026/2/13 08:01
- アナリスト銘柄分析

クリナップ<7955>(東証プライム)はシステムキッチンの大手でシステムバスルームや洗面化粧台も展開している。成長に向けた重点施策として既存事業の需要開拓と低収益からの転換、新規事業による新たな顧客の創造、ESG/SDGs視点での経営基盤強化を推進している。26年3月期第3四半期累計は想定を上回る大幅増益だった。新設住宅着工戸数の低迷など厳しい事業環境で売上高は小幅増収にとどまったが、販売価格改定効果が顕在化したほか、原価低減効果なども寄与した。そして通期の利益予想を上方修正した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げて昨年来高値更新の展開だ。そして16年12月以来の高値圏だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■システムキッチンの大手、システムバスルームも展開
厨房部門(システムキッチン)および浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)を展開している。25年3月期の部門別売上高は厨房部門が1052億93百万円、浴槽・洗面部門が148億33百万円、新築・リフォーム別売上高構成比は新築が44.0%、リフォームが50.9%、その他が5.1%だった。主要製品の市場シェアはシステムキッチンが21.5%、システムバスルームが3.0%、洗面化粧台が4.7%だった。
中高級品に強みを持ち、厨房部門は最高級ステンレスキッチンCENTRO(セントロ)、中高級価格帯のステンレスキャビネットキッチンSTEDIA(ステディア)、普及価格帯システムキッチンrakuera(ラクエラ)、コンパクトキッチンcolty(コルティ)、浴槽・洗面部門はバスルームAQULIA-BATH(アクリアバス)、yuasis(ユアシス)、洗面化粧台TIARIS(ティアリス)などを主力製品としている。25年9月にはシステムキッチンSTEDIAのリニューアル(意匠性と機能性を向上)を行い受注開始した。
競争力強化に向けてショールーム戦略も強化している。20年6月にKITCHEN TOWN YOKOHAMA(横浜市みなとみらい)をオープンし、旗艦ショールーム全国4拠点(東京、横浜、名古屋、大阪)体制とした。24年11月にはつくばショールームをリニューアルオープン、25年9月には千葉ショールームをリニューアルオープンした。
販売ルートは工務店の会員登録制組織「水まわり工房」加盟店を主力としている。物流面では首都圏の物流強化の一環として、24年4月には相模原プラットフォームをリニューアルして本格稼働した。
■サステナブルビジョンは「人と暮らしの未来を拓く」
長期ビジョンの「クリナップサステナブルビジョン2030(CSV30)」では、30年度の目標として財務目標(連結)では売上高1500億円、営業利益95億円、ROE8.5%、非財務目標では13年度比温室効果ガス50%削減、女性管理職比率15%、男性育児休暇取得率100%、有給休暇取得率60%を掲げている。
既存事業に関しては、水回り3品(キッチン、浴室、洗面)事業での安定した収益確保を目的として中高級品の販売力強化、システムバス販売の底上げ、リフォーム需要獲得、水回り3品で培ったノウハウを活かしたサービス・物流分野での外販ビジネスの拡大、生産変革による原価低減、間接業務の効率化などで利益改善を推進する。
なお福島県いわき市に生産拠点を構えている。東日本大震災の翌年の12年12月に公益財団法人クリナップ財団を設立し、福島県の復興支援を目的として活動している。そして25年7月には、クリナップ財団の25年度の奨学生50名を決定した。13年度に開始した奨学支援事業は震災復興支援に有用な人材育成を目指し、13年間で累計奨学生は560名となった。
23年2月にはCSV30の実現に向けて未来キッチンプロジェクトを始動した。武蔵野美術大学との産学共同で社会課題へ取り組む未来キッチンラボの創設、過去に販売したキッチンキャビリサイクルプログラムの開始、未来を担う子供達からアイデアを公募する未来キッチン・イラストコンテストの開始、という3つのアクションを通じて、2030年までにシステムキッチンの枠を超えた新しいキッチンの事業化、より心豊かな食文化の創造を目指す方針としている。また未来キッチンプロジェクトの一環として、会員制リフォームネットワーク「水回り工房」にて、23年4月よりキッチンキャビリサイクルプログラムを開始した。
24年3月には未来キッチンプロジェクトを通じて研究している次世代キッチンの1つとしてモビリティキッチンのプロトタイプを発表した。24年12月にはMUJI HOUSEのインフラゼロハウスの実証実験にモビリティキッチンのプロトタイプを提供した。25年1月には練馬区豊玉地区の防災イベントにおいてモビリティキッチンのプロトタイプと、ろ過循環装置の実証実験を実施した。25年11月には、未来キッチンプロジェクトの活動を伝えるため、専用サイトに新コンテンツを追加した。
26年1月には、キッチン購入意向層の認知度向上を目的に、公式YouTubeチャンネルにて新企画「Cafe.はじまりリフォーム~プロと見据える第二の人生~」を公開した。26年2月には一般社団法人リビングアメニティ協会の「ALIAこども応援プロジェクト」を通じて、岩手県北上市のこども食堂「わらすば」にシステムキッチンSTEDIAを寄贈した。
■26年3月期利益予想を上方修正して大幅増益予想
26年3月期の連結業績予想は26年2月5日付で各利益を上方修正し、売上高が前期比3.5%増の1345億円、営業利益が54.5%増の32億円、経常利益が41.2%増の37億円、親会社株主帰属当期純利益が45.4%増の25億円としている。配当予想は据え置いて前期と同額の31円(第2四半期末13円、期末18円)としている。予想配当性向は44.6%となる。
前回予想(25年10月31日付で売上高を下方修正、各利益を据え置き)に対して売上高を据え置いたが、営業利益を7億円、経常利益を7億円、親会社株主帰属当期純利益を6億50百万円それぞれ上方修正した。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比3.4%増の1020億01百万円、営業利益が86.5%増の39億58百万円、経常利益が76.1%増の43億98百万円、親会社株主帰属四半期純利益が93.0%増の30億76百万円だった。
想定を上回る大幅増益だった。新設住宅着工戸数の低迷など厳しい事業環境で売上高は小幅増収にとどまったが、販売価格改定効果が顕在化したほか、原価低減効果なども寄与した。部門別売上高は厨房部門が3.6%増の822億89百万円、浴槽・洗面部門が0.4%増の116億53百万円だった。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が321億02百万円で営業利益が5億76百万円、第2四半期は売上高が332億99百万円で営業利益が7億75百万円、第3四半期は売上高が366億40百万円で営業利益が26億07百万円だった。
修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76%、営業利益が124%、経常利益が119%、親会社株主帰属当期純利益が123%である。第3四半期累計の各利益は修正後の通期予想を超過達成の形となっている。この点に関して同社は、第4四半期は販売構成の変化により例年低収益であることに加え、当期は需要喚起のためのプロモーション施策により販管費が増加する見込みとしている。ただし通期利益予想に再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は16年以来の高値圏
なお2月6日の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT―3)において自己株式80万株を取得した。また2月27日付(予定)で自己株式100万株を消却する。
株価は水準を切り上げて昨年来高値更新の展開だ。そして16年12月以来の高値圏だ。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月12日の終値は952円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS69円58銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1583円18銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約356億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)





















