インフォマート、26年12月期も大幅増収増益予想、ストック型ビジネスが収益拡大を牽引
- 2026/2/26 08:08
- アナリスト銘柄分析

インフォマート<2492>(東証プライム)は、企業間の商行為を電子化する国内最大級のクラウド型BtoB電子商取引プラットフォーム(飲食業向けを中心とする受発注、全業界を対象とする請求書など)を運営している。なお第一生命ホールディングス<8750>と資本業務提携した。26年12月期も大幅増収増益・増配予想としている。ストック収益が積み上がるビジネスモデルであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は昨年来高値圏から急反落してやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■国内最大級のBtoB(企業間電子商取引)プラットフォーム
企業間の商行為を電子化する国内最大級のクラウド型BtoBプラットフォームを運営している。24年3月にはタノムを子会社化した。タノムは食品卸と個人飲食店の受発注デジタル化サービスを展開している。26年1月にはinvoxの株式を追加取得して持分法適用関連会社化(議決権所有割合33.41%)した。invoxは高精度なAI―OCR技術により、請求書の受領から仕訳・保存までを自動化する「invoxシリーズ」を展開している。なお第一生命ホールディングス<8750>と資本業務提携(26年3月2日を払込期日として第三者割当増資を実施)した。
主要プラットフォームとしては、BtoB-PF FOOD事業では飲食店(主に外食チェーン)と食材卸・メーカー間の受発注業務を電子化する受発注、食の安全・安心に関わる商品規格書を電子管理する規格書、小・中規模飲食店向けの受発注ライト、LINEを使った発注が可能なTANOMU、店舗オペレーション管理ツールのV―Manage、BtoB-PF ES事業では全業界を対象に請求書発行・受取業務を電子化する請求書、安心・安全な契約書管理を実現する契約書、取引先との見積書・発注書・納品書・検収書をデジタル化するTRADE、業務用食品食材の商談をデジタル化する商談などがある。
23年7月には自治体のLGWAN(総合行政ネットワーク)に対応したBtoBプラットフォーム on LGWANを本格稼働、23年12月には紙やPDFなど様々な形式で受け取る請求書をAI OCRでデータ化するサービスBP Storage for 請求書の提供を開始した。また、多様な価値提供の一環および新たな収益源育成に向けて、100万社の顧客基盤に基づく商流データを活用したBtoB Financeを開発中(一部機能をリリース済み)である。
25年12月期の売上高はBtoB-PF FOOD事業が119億30百万円、BtoB-PF ES事業が68億86百万円だった。主な収益は利用企業から得る使用料収入およびセットアップ費用である。受発注ではフード業界の買い手企業(外食チェーン、ホテル、給食等)から得る月額システム使用料、売り手企業(食材メーカー・卸等)から得る定額制または流通金額に係る従量制のシステム使用料、請求書ではシステム使用料(基本料金+従量制)などが柱となっている。
■26年12月期営業利益50億円目標
中期業績目標値には26年12月期売上高200億円、営業利益50億円、売上高営業利益率25%を掲げ、5年間平均のCAGR(売上高成長率)は全社16%(FOOD事業8%、ES事業30%)としている。
事業ビジョンとしては、同社が強みとするDtoD(Date to Date)方式のBtoBプラットフォームを最大限活かし、業界DtoD戦略(BtoB-PF請求書等の全業界向けサービスを普及させ、商流DXニーズが高い特定の業界を深掘りすることで大きな業界貢献と収益を上げていく戦略)で事業領域の深化拡大を目指すことを掲げている。また中期経営方針としては、BtoBプラットフォームの強化(新サービス・新プロダクツの創出を含む機能強化、販売力強化、認知度向上、CS向上など)、増収増益基調の継続と高収益性への回帰、出資先のシナジー拡大と収益化を掲げている。24年12月にはBtoBプラットフォームが、クラウドセキュリティの国際標準規格ISO/IEC27017認証を取得した。
なおFood Techに特化したファンドを設置し、20年6月にはAIを活用した飲食店向けの自動発注クラウドサービス「HANZO自動発注」を開発・提供するGoalsに出資して資本業務提携(22年6月に追加出資)した。23年6月には、国内の旅館・宿泊業の再生支援を行うRQ旅館再生ファンド投資事業有限責任組合に出資した。
25年10月には子育てサポート企業として厚生労働大臣より「プラチナくるみん認定」を取得した。
■利用企業数は増加基調
利用企業数の増加に伴って収益が拡大するストック型収益モデルである。利用企業数は増加基調で、25年12月期末の全社ベースの利用企業数は24年12月期末比10万1870社増加の125万1169社となった。主要プラットフォームでは、受発注の買い手企業が207社増加の4311社、売り手企業が1972社増加の4万8106社となった。請求書は有料企業数が2311社増加の1万5190社、利用企業数が10.2万社増加の124.3万社となった。
国内最大級のBtoBプラットフォームである。東京商工リサーチの調査(24年6月)においてはBtoBプラットフォーム請求書が、請求書クラウドサービス市場国内シェアNO.1を4年連続で獲得した。24年9月には未来トレンド研究機構調べ(調査期間24年7月~8月)の受発注クラウドサービス市場における受発注流通金額において国内シェアNo.1を獲得した。
BOXIL SaaS AWARD Autumn 2024においては、BtoBプラットフォーム請求書が請求書発行部門で、BtoBプラットフォーム受発注が受発注管理システム部門で、それぞれ1位を受賞した。アイティクラウドのITreview Grid Award 2024 Springでは、BtoBプラットフォーム請求書が請求書・見積書作成ソフトおよび請求書受領サービスの2カテゴリで最高位のLeaderを受賞した。24年6月にはアイティクラウドのITreviewにおいて、Customer Voice Leaders 2024をエグゼクティブ活用部門で受賞した。25年9月にはファインディの「Findy Team+Award2025」において「Organization Award」に選出された。
■アライアンスも積極推進
アライアンス戦略も積極推進している。21年10月に串カツ田中ホールディングス<3547>と合弁で設立したRestartzは、22年11月に飲食店舗運営DXを支援する店舗オペレーション管理アプリ「V-Manage」をリリースし、23年4月に串カツ田中ホールディングスの全ての直営店舗(155店舗)への導入を開始した。そして23年8月末に利用企業数が100社を突破した。
24年11月にはJTBのグループ企業であるJTB旅連事業と業務提携した。宿泊施設と生産者・加工食品業者をつなぎ、食材の調達業務効率化する「ホテル・旅館向けマーケットプレイス」を「BtoBプラットフォーム商談」内に開設し、宿泊業界のデジタル化を推進する。24年12月には国立大学法人東京大学大学院工学系研究科早矢仕研究室とAIを用いた共同研究を開始した。
25年12月にはflaroと業務提携した。flaroが提供する飲食店向け経営管理プラットフォーム「FLARO(フラーロ)」の代理販売を開始する。
■26年12月期も大幅増収増益予想で収益拡大基調
25年12月期の連結業績は売上高が前期比20.4%増の188億17百万円、営業利益が2.4倍の28億63百万円、経常利益が2.4倍の28億36百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の19億22百万円だった。配当は2月13日付で期末98銭上方修正して、前期比3円70銭増配の5円44銭(第2四半期末2円23銭、期末3円21銭)とした。連続増配で配当性向は64.1%となる。
大幅増収増益だった。全社合計の利用企業数は8.9%増の125万1169社となった。利用企業数増加や料金改定効果(BtoBプラットフォーム受発注は24年8月実施、BtoBプラットフォーム請求書は25年4月実施)に加え、サーバーのクラウド移行完了(24年9月)によってデータセンター費用が減少し、売上利益率が大幅に改善(前期比11.3ポイント上昇して73.1%)した。
営業利益16億63百万円増益の分析は、増収効果で31億86百万円増加(FOODが19億81百万円増加、ESが12億04百万円増加)、売上原価の減少で9億19百万円増加(データセンター費の減少で11億31百万円増加、ソフトウェア償却費の増加で1億10百万円減少、手数料等の増加で1億01百万円減少)、販管費の増加で24億42百万円減少(人件費の増加で8億93百万円減少、販売促進費の増加で5億83百万円減少、支払手数料の増加で2億21百万円減少、のれん償却費の増加で4億71百万円減少、その他の増加で2億72百万円減少)としている。
BtoB-PF FOOD事業は売上高が19.9%増の119億30百万円で営業利益が41.8%増の27億57百万円だった。主力の受発注のほか、受発注ライトやTANOMUも利用企業数が増加し、受発注の価格改定効果も寄与した。売上高の内訳は受発注が22.4%増の88億29百万円、受発注ライト&TANOMUが31.7%増の11億81百万円、その他が4.3%増の19億19百万円だった。受発注の利用企業数は買い手企業が207社増の4311社(店舗数は5392社増の8万2799店舗)で、売り手企業が1973社増の4万8106社となった。売上総利益率は12.9ポイント上昇して78.6%となった。
BtoB-PF ES事業は売上高が21.2%増の68億86百万円で営業利益が1億06百万円(前期は7億46百万円の損失)だった。大手企業を中心に請求書の新規利用が増加したほか、TRADEも順調に増加した。売上高の内訳は請求書が22.6%増の53億99百万円、TRADEが62.2%増の4億54百万円、その他が3.5%増の10億32百万円だった。請求書の利用企業数は10.2万社増の124.3万社、有料企業数(受取モデルと発行モデルの合計)は2311社増の1万5190社(受取モデルが1273社増の8837社、発行モデルが1038社増の6353社)となった。有料企業数は25年4月の基本料金改定により、受取モデルと発行モデルの両方が利用可能となった利用企業数が増加した。売上総利益率は4.3ポイント上昇して63.7%となった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高43億04百万円、ストック収益率96.2%、営業利益5億80百万円、第2四半期は売上高46億96百万円、ストック収益率96.6%、営業利益8億40百万円、第3四半期は売上高48億02百万円、ストック収益率97.0%、営業利益9億86百万円、第4四半期は売上高50億13百万円、ストック収益率97.2%、営業利益4億55百万円だった。
26年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比13.5%増の213億48百万円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)が43.5%増の69億85百万円、営業利益が74.6%増の50億円、経常利益が70.5%増の48億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が61.1%増の30億97百万円としている。配当予想は前期比1円14銭増配の6円58銭(第2四半期末3円29銭、期末3円29銭)としている。連続増配で予想配当性向は56.6%となる。
営業利益21億36百万円増益分析(計画)は、増収効果で25億31百万円増加(FOODが12億26百万円増加、ESが13億05百万円増加)、売上原価の減少で2億15百万円増加(データセンター費の増加で54百万円減少、ソフトウェア償却費の減少で2億19百万円増加、手数料等の増加で3億79百万円減少)、販管費の減少で1億79百万円減少(人件費の増加で5億82百万円減少、販売促進費の減少で5億26百万円増加、支払手数料の増加で2億08百万円減少、のれん償却費の減少で1億74百万円増加、その他の増加で89百万円減少)としている。なお売上総利益率の計画は全社ベースで2.2ポイント上昇の75.3%(セグメント別にはBtoB-PF FOOD事業が0.1ポイント上昇の78.7%、BtoB-PF ES事業が6.1ポイント上昇の69.8%)としている。
セグメント別の計画については、BtoB-PF FOOD事業の売上高が前期比10.3%増の131億57百万円で営業利益が50.7%増の41億54百万円、BtoB-PF ES事業の売上高が19.0%増の81億91百万円で営業利益が8.0倍の8億45百万円としている。BtoB-PF FOOD事業は、24年8月に実施した価格改定効果が一巡するため売上総利益率の上昇が小幅にとどまるが、利用企業数の増加によりストック収益の順調な増加を見込む。BtoB-PF ES事業は利用企業数の増加に加え、25年4月に実施した価格改定効果も寄与する見込みだ。
ストック収益が積み上がるビジネスモデルであり、積極的な事業展開で26年12月期も収益拡大基調だろう。
■株価は調整一巡
株価は昨年来高値圏から急反落してやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月25日の終値は359円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS11円92銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想の6円58銭で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS53円64銭で算出)は約6.7倍、そして時価総額は約931億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)






















