Jトラスト、26年12月期は増収増益予想、日本・韓国事業が牽引し27年12月期「174億円+α」へ

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて金融事業を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大を推進している。26年12月期は増収増益予想としている。日本金融事業、韓国金融事業が堅調に推移する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は急伸して昨年来高値を更新した。低PER、高配当利回り、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■日本、韓国、東南アジアで金融事業を展開

 日本、韓国、およびインドネシアを中心とする東南アジアにおいて、金融事業(銀行、信用保証、債権回収、その他の金融)を展開し、さらなる成長に向けて継続的にポートフォリオ再編や事業基盤拡大戦略を推進している。

 25年12月期のセグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)は日本金融事業が78億80百万円、韓国金融事業が24億42百万円、東南アジア金融事業が10億36百万円、不動産事業が5億91百万円、投資事業が8億19百万円、その他が27百万円の損失だった。収益はM&A・事業再編・不良債権処理などで変動する可能性がある。

■成長加速に向けて事業基盤拡大

 日本金融事業は、主に日本保証が信用保証/消費者・事業者向け金融事業、パルティール債権回収が債権回収業、Jトラストグローバル証券(以下:JTG証券)が証券業、Nexus Cardがクレジットカード事業を展開している。

 韓国金融事業は、主に韓国・JT貯蓄銀行と韓国・JT親愛貯蓄銀行が銀行業、韓国・TA Assetが債権回収業を展開している。

 東南アジア金融事業は、インドネシアでJトラスト銀行インドネシア(以下:BJI)が銀行業、Jトラストインベストメンツインドネシア(以下:JTII)が債権回収業、TA Assetインドネシア(以下:TAID)が債権回収業、カンボジアでJトラストロイヤル銀行(以下:JTRB)が銀行業を展開している。なお23年6月に、Jトラストオリンピンドマルチファイナンス(以下:JTO)の株式を譲渡(譲渡実行日はインドネシア金融庁の承認後)する株式売買契約を締結した。これによりJTOは連結除外となる。

 不動産事業は、主に同社、Jグランド、ライブレント、グローベルスが展開している。Jグランドは23年5月にライブレントを子会社化、25年3月に子会社グランド保証を設立して家賃保証事業に参入、25年4月にクレディセゾンと業務提携して家賃保証サービスを開始した。さらに25年11月には、不動産特定共同事業法に基づく金融庁長官・国土交通大臣認可を取得し、不特法クラウドファンディングサービスを開始した。

 投資事業はJトラストアジアが展開している。なおJトラストアジアは販売金融事業のタイGLH社に出資したが、17年10月にタイGLH社CEO此下益司氏がタイSECから偽計および不正行為で刑事告発された。このためタイGLH社、此下益司氏およびGLH社の関連取締役に対して、刑事告発手続き、会社更生法申し立て・補償請求・賠償請求などの訴訟を提起しており、勝訴判決に基づいて履行を受けるなど資金回収が進展している。直近の経過(26年1月22日付リリース)として、GLがJトラストアジアに対して提起していた880百万タイバーツ(約44億円)の賠償を求める訴えに関して、タイの最高裁判所が26年1月21日付でGLの上告を棄却する判決を言い渡した。これによりJトラストアジアの勝訴が確定した。

 その他事業は主にJ Sync(旧Robotシステム)がグループのシステム開発・運用・管理業務を展開している。またKeyHolder<4712>は持分法適用関連会社となっている。

■27年12月期に向けた「J TRUST VISION」

 25年12月期~27年12月期を対象期間とする「J TRUST VISION」では、最終年度27年12月期の目標値(証券業を除く)に、営業収益1568億円、営業利益174億円、当期純利益114億円を掲げている。

 営業利益174億円(24年12月期実績62億円比112億円増益)の内訳として、日本金融事業は保証事業と債権回収事業の安定成長により70億円から75億円へ5億円増益、韓国金融事業が事業再構築完了により9億円から55億円へ46億円増益、東南アジア金融事業が成長加速により15億円から53億円へ38億円増益、不動産事業が安定的な事業拡大により3億円から11億円へ8億円増益、投資事業・その他事業が裁判関連費用剥落などにより15億円の損失から4億円の損失へ11億円増益の計画としている。

 また27年12月期営業利益174億円は、日本・韓国・東南アジアの各金融事業において見通しを立てやすい事業領域でのベースラインの計画としており、さらなるアップサイド要因として、日本の証券業におけるプライベートバンキング事業の預かり資産1兆円への拡大、BJIの資本増強による貸出残高拡大、投資事業におけるGLH社向け債権回収などにより「174億円+α」を目指すとしている。

 株主還元については「3ヶ年計画期間における配当性向30%以上+累進配当、および資本効率を意識した機動的な自己株式取得を実施予定」としている。

 なお26年1月には、女子プロゴルファー山田彩歩選手とのスポンサー契約締結を発表した。

■26年12月期増収増益予想

 25年12月期の連結業績(IFRS)は営業収益が前期比2.5%減の1242億65百万円、営業利益が71.6%増の109億02百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が31.4%増の79億39百万円だった。配当は前期比3円増配の17円(期末一括、普通配当16円+記念配当1円)とした。配当性向は28.5%となる。

 大幅増益と順調だった。日本金融事業が好調に推移したほか、韓国金融事業の業績改善、投資事業における損害賠償金受取や訴訟費用減少なども寄与した。

 日本金融事業の営業利益は11.9%増の78億80百万円だった。債権回収業務における簿価修正益の増加、クレジット・信販業務における割賦立替手数料の増加、証券業務におけるトレーディング利益の増加などにより14.3%増収と好調に推移し、貸付金や割賦立替金残高の増加に伴う貸倒引当金の積み増しなどによる費用の増加を吸収した。

 韓国金融事業の営業利益は135.5%増の24億42百万円だった。銀行業における貸出金利息収入減少などにより4.3%減収だが、調達金利の低下、円換算後の預金利息費用の減少、債権売却損の減少などにより大幅増益だった。

 東南アジア金融事業の営業利益は31.3%減の10億36百万円だった。インドネシアの銀行業において貸出金利息収入が減少したほか、追加融資に対する貸倒引当金(損失評価引当金)が増加した。

 不動産事業の営業利益は53.1%増の5億91百万円だった。販売用不動産の販売収益が減少して9.5%減収だが、販売費用が減少して増益だった。投資事業の営業利益は8億19百万円(前期は15億95百万円の損失)だった。GL社に係る損害賠償金受取、投資利益回収金、訴訟費用圧縮などにより黒字転換した。その他事業の営業利益は27百万円の損失(前期は2億11百万円の損失)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が306億57百万円で営業利益が21億34百万円、第2四半期は売上収益が300億85百万円で営業利益が24億52百万円、第3四半期は営業収益が312億99百万円で営業利益が17億99百万円、第4四半期は営業収益が322億24百万円で営業利益が45億17百万円だった。

 26年12月期の連結業績予想は営業収益が前期比4.6%増の1300億円、営業利益が6.4%増の116億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が2.0%増の81億円としている。配当予想は前期と同額の17円(期末一括)としている。前期の17円には記念配当1円を含んでいるため普通配当ベースでは1円増配となる。予想配当性向は27.9%である。

 セグメント別営業利益の計画は日本金融事業が20.0%増の94億58百万円、韓国金融事業が57.3%増の38億42百万円、東南アジア金融事業が10億31百万円の損失(前期は10億36百万円)、不動産事業が92.2%増の11億37百万円、投資事業が54.3%減の3億74百万円の損失)、その他事業が1億87百万円の損失(前期は27百万円の損失)としている。

 日本金融事業は信用保証業務、債権回収業務、証券業務が順調に伸長して増収増益を見込む。韓国金融事業は、短期延滞債権の回収に注力して貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の減少を見込むほか、大型不良債権のリファイナンシング等による貸倒引当金(損失評価引当金)戻入益を見込む。東南アジア金融事業は、インドネシアでは銀行業務の積極的な貸出残高の増強など、カンボジアでは富裕層を主要顧客とする貸出および運用提案を強化する。不動産事業は総合不動産会社として商品ブランド戦略を推進する。投資事業は投資収益の確保やGL社に対する損害賠償金の回収を推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主優待制度は毎年6月末日対象

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年6月末日時点で1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。なお25年12月期6月末基準の株主優待として、25年11月29日に「東京宝塚劇場 宙組貸切公演」を、26年1月10日に「東京宝塚劇場 星組貸切公演」を実施した。

 25年5月14日発表の自己株式取得(上限400万株または15億円、取得期間25年5月15日~25年12月30日)について、25年12月12日付で取得期間延長(26年3月31日まで延長)を発表した。そして26年1月31日時点の累計取得株式数は45万7100株となっている。

■株価は上値試す

 25年7月には、FTSE RussellのESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初めて選定された。

 株価は急伸して昨年来高値を更新した。低PER、高配当利回り、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。2月26日の終値は537円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS60円84銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約3.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1215円44銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約717億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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