新春相場への期待を含んだ展開、「陰の極」の対極で新春相場は活況に、久々に「株を枕に越年」も=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

犬丸正寛の相場展望 来週は年内2日間の立会いだが、新春相場への期待がこもった展開が予想される。

今週末は25日、26日と2日連続で東証1部売買代金が1.3兆円台、出来高も16億株ていどといずれも今年8月後半以来の低水準となった。不透明な世界情勢から年末年始休みを控え、買い手控えとなっているが、一方で換金売りも少ない状況となっている。「強い相場基調の中での様子見」という印象だ。

8月の売買代金・出来高の少ないときは、相場でいう「陰の局」となって現在の高水準につながっている。今回も相場的には「陰の極」とみていいだろう。

こうした中で注目されるのは、東証1部売買単価が4営業日連続で1000円を下回ってきたことだ。10月末から1000円台が続き12月6日には1125円まで上昇していた。値段の高い銘柄がマーケットの中心となっていた。

売買単価が840円台まで下がってきたことは物色の矛先が値の高い銘柄から徐々に値の低い銘柄に向かい始めているといえる。値の高い銘柄には輸出関連が多く、値の低い銘柄には内需関連が多いことから物色対象が輸出関連銘柄から内需関連銘柄にスフトし始めているといえる。

為替も1ドル・120円台となっているが、さらに円安が進む雰囲気でもない。逆に、円高に振れる可能性を先読みして株式マーケットが動き出している可能性もあるだろう。

しかも、「新政権」のもとで、「新年」を迎える。当然、これまでの「円安頼み政策」から、「内需中心の政策」へ転換が予想される局面である。内需復活は、「日本の隅々まで景気回復の実感を」というアベノミクス政策にも通じるからだ。

世界のマネーも日本買いに向かってくることが予想される。政権安定をベースに経済再生が期待できる方向にあるからだ。日本国債に向かっている世界マネーが日本株に向かってくる可能性は極めて高いとみられる。

おそらく、新春相場は年末相場の「陰の極」の裏返しで売買単価、出来高とも増える活況相場が予想される。久々に、「株を枕に越年」もよさそうだ。

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