CRI・ミドルウェアはVR(仮想現実)の視覚・聴覚に「触覚」なども加え臨場感の拡大めざす

【注目の決算】第2四半期の3ヶ月間では売上高が16%増加し過去最高に

 ゲーム開発向けミドルウェア(中間的処理・動作ソフト)などを開発するCRI・ミドルウェア<3698>(東マ)が12日に発表した2016年9月期・第2四半期決算(2015年10月~16年3月、連結)は、スマホ向けを中心としたゲーム分野や新規分野などが好調に推移し、売上高は前年同期比1.7%増の6億1000万円となった。営業利益は、海外展開や研究開発投資などを積極推進するため同6.7%減の1億2800万円となったが、これまでの見通しを2000万円上回った。

 スマートフォンゲームや家庭用ゲームなどで急速に普及し始めたVR(バーチャルリアリティ、仮想現実)によって臨場感を高める技術の開発や提供が進み、第2四半期の3ヵ月間(16年1~3月)をみると、売上高は第2四半期として過去最高の3億6000万円(前年同期比15.8%増)となった。営業利益は1億500万円(同49.5%増)となった。

■「VR酔い」に対応する技術開発も進む

 9月通期から来期にかけては、VR(バーチャルリアリティ、仮想現実)やAR(オーグメントリアリティ:拡張現実)などによる視覚的・音響的な臨場感に加えて「触覚」(ハプティック)を盛り込む技術の開発・提供が大きく進展する見通しだ。

 また、VRやARによる臨場感には「乗り物酔い」のような現象が課題とされており、「酔わないVR」の実現に向けた取り組みも進める。

 同社の業績は「下期型」になっている。9月通期の業績見通しは期初の計画を据え置き、売上高を前期比17.1%増の14億円、営業利益は同19.9%増の3億2000万円、純利益は同33.1%増の2億1400万円、1株利益49.04銭とする。第3四半期以降は「触覚」や「酔わないVR」などの新領域への展開が進むため、この計画に向けて積極展開を図るとした。

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