生化学工業は今期V字大幅増益を予想、株価は年初来の高値を更新

(決算速報)
■前期は棚卸資産の評価減などで減益だったが今期は純利益58%増を想定

 生化学工業<4548>(東証プライム)の2024年3月期の連結決算(5月13日夕刻発表)は、売上高が前期比8.2%増の36億213百万円となった一方、営業利益は同79.5%減の4億33百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同2.2%減の21億86百万円など、各利益とも減益だった。

 ただ、今期・25年3月期の連結業績見通しは、売上高を400億円(10.5%増)、営業利益を39億50百万円(同9.1倍)、当期純利益は34億50百万円(同57.8%増)とした。このため、14日の株価は買い気配で始まり、取引開始後は8%高の795円(58円高)まで上げて約5か月ぶりに年初来の高値を更新している。

 24年3月期は、主に棚卸資産の評価減や生産体制強化に向けた設備メンテナンスの前倒し、エンドトキシン測定用試薬等を取り扱うLAL事業における費用が増加したことにより、営業利益以下の各利益が減益となった。しかし、今期・25年3月期は、ロイヤリティーの増加を主な増収要因として、連結売上高400億円(前期比10.5%増)を見込む。国内医薬品の薬価引き下げの影響などはあるものの、前期に実施した増産体制の整備・強化やシステム関連費用などの反動増もあり、営業利益は39億50百万円(前期比812.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億50百万円(同57.8%増)を見込む。、研究開発費の予想は69億00百万円(同7.8%減)を予定する。

 進行中の中期経営計画(2023年3月期~2026年3月期)では、腰椎椎間板ヘルニア治療剤SI-6603の製品価値最大化、独自の創薬技術を活かした研究開発の加速、関節機能改善剤の事業価値維持・向上、遺伝子組換え技術によるLAL事業の拡大、などを推進し、最終年度には過去最高の業績達成を目指す計画だ。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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