【編集長の視点】萬世電機は連日の高値更新、業績上方修正でPER2倍台の超割安修正買いが増勢

編集長の視点

萬世電機<7565>(東2)は、42円高の810円と3日続伸して始まり、連日の昨年来高値更新となっている。寄り付き段階での東証第2部の値上がり率ランキングでは、トップ3に躍り出る高人気となっている。前日5日大引け後に今3月期第3四半期(3Q)決算の開示とともに、3月通期業績の上方修正を発表、とくに純利益の修正幅が、特別利益の計上で大幅となることがサプライズとなってPER2倍台の超割安株買いが増勢となっている。

■FA機器、重電機器が伸長し営業利益、経常利益も上方修正

特別利益の計上は、昨年10月に発表した新本社社屋建設に伴い旧本社社屋(大阪市福島区)の土地・建物を譲渡し、約20億円の譲渡益が発生したことを要因としている。このため今3月期純利益を期初予想の3億1000万円から13億9000万円引き上げ、17億円(前期比4.49倍)として2006年3月期の過去最高(5億3900万円)を大幅に更新する。1株利益は、370.76円に高まる。

また同社は、今期業績については純利益だけではなく、営業利益を期初予想より3000万円、経常利益を6000万円それぞれ引き上げ、経常利益は、5億8000万円(前期比7.0%増)と期初の減益転換予想が連続増益に変わる。国内景気の緩やかな回復に伴い設備投資も持ち直しの兆しが表れ、既存顧客との関係強化、新規顧客の開拓、取扱商材の拡大に努め、電機機器・産業用システムでは受配電用電機品が堅調に推移して、製造業の設備更新向けのFA機器、重電機器が伸長、電子デバイス・情報通信機器ではマイコン、パワー半導体などが伸び、3Q業績が、前年同期比37.4%営業増益、42.4%経常増益と大きく伸び、すでに期初予想の3月通期業績を上ぶれて着地したことから上方修正した。

■PBRも0.4倍と超割安で2008年1月高値が次のターゲット

株価は、昨年11月発表の今期第2四半期累計業績の上ぶれ着地で660円高値をつけ、同12月の固定資産譲渡・特別利益計上の発表では、当初は反応薄で600円台で下値を固める展開が続いたが、年明けとともに上値を伸ばし昨年来高値を更新してきた。なおPERは2倍台、PBRも0.4倍と超割安であり、2008年1月高値968円が次の上値ターゲットに浮上し、2007年7月以来の1000円大台回復も目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る