ケンコーマヨネーズは自律調整一巡して上値試す、18年3月期増収増益予想や中期成長力を評価

日インタビュ新聞ロゴ

 ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)は、マヨネーズ・ドレッシング分野からタマゴ加工品・サラダ類・総菜分野への事業領域拡大戦略を加速し、18年3月期増収増益予想である。株価は自律調整が一巡し、好業績や中期成長シナリオを評価して上値を試す展開が期待される。なお8月4日に第1四半期決算発表を予定している。

■タマゴ加工品・サラダ類・総菜分野への拡大戦略を加速

 サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)などの総菜関連事業等、その他(ショップ事業、海外事業)を展開している。ロングライフサラダは業界のパイオニアとして国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。

 中期経営計画では目標値に18年3月期売上高750億円、経常利益率5%、自己資本比率50%、ROE8%以上維持を掲げている。

 基本戦略を「サラダNO.1 Leading company」ポジションの確立、サラダ料理の更なる進化、グローバル市場へ積極展開する経営基盤強化として、タマゴ加工品・サラダ類・総菜分野への事業領域拡大戦略を加速する。サラダカフェ事業は百貨店などへのショップ展開を進めている。

■18年3月期も増収増益予想で上振れ余地

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比5.9%増の750億円、営業利益が同2.3%増の40億80百万円、経常利益が同2.1%増の41億円、純利益が同0.1%増の28億70百万円としている。配当予想は前期と同額の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)で予想配当性向は21.2%となる。

 経常利益増減分析予想は、増益要因が増収効果3億75百万円、生産効率向上90百万円、物流費削減58百万円、減益要因が原材料価格変動影響80百万円、固定経費等増加3億60百万円としている。中食市場の拡大も背景としてサラダ・総菜類やタマゴ加工品の採用が拡大基調であり、高付加価値商品の拡販や生産効率の改善も寄与して上振れ余地があるだろう。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価の動きを見ると、6月22日の戻り高値3370円から一旦反落したが、大きく下押す動きは見られない。自律調整の範囲だろう。

 7月11日の終値3210円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS174円20銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は1.2%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1727円17銭で算出)は1.9倍近辺である。時価総額は約529億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形となった。自律調整が一巡し、好業績や中期成長シナリオを再評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る