【株式評論家の視点】レカムの連結子会社レカム大連が中国市場に上場へ、中期計画達成が現実味を帯びる

株式評論家の視点

 レカム<3323>(JQS)は、1994年の創業以来、情報通信事業を軸として社是の一つでもある“チャレンジ”を続けている。日本初の無店舗型法人営業フランチャイズ、業界初の定額保守サービス「レッツコピー(Ret’s Copy))」、自社のバックオフィス業務の中国でのオペレーションからスタートして外部受託を開始したBPO事業、そして、14年12月にはミャンマーでのBPOセンターを開設。さらにBPO事業、LED照明等の商品を販売するeco事業、電力の取次事業、サービス&サポート事業、海外での法人事業の展開と事業フィールドを大きく拡げていることを踏まえ、本年2月からの持株会社体制への移行準備を進め、各事業会社への権限移譲とグループシナジーを創出する体制の構築を行っている。

 情報通信事業においては、ビジネスホン・デジタル複合機・ネットワーク商品・LED照明、その他OA機器全般の販売、設置工事及び保守サービスの提供・ホームページ作成、モバイル端末の販売、インターネット関連サービスを提供しているが、社員教育をより一層強化し生産性の向上に努めるとともに、約6万件の顧客データベースを効率的に活用できる体制構築に取り組んでいる。BPO事業においては、雇用を気にすることなく作業量を増やせるアウトソーシングで、生産性向上とコスト削減を同時にサポートしているが、既存顧客からの売上増加に注力しつつ新規顧客の開拓にも注力、各BPOセンターの特質に合わせた業務受け入れ態勢を構築している。海外法人事業においては、海外に進出している日系企業を中心に、日本品質のeco商品やOA機器などの提案により、コストダウンと業務効率の向上を図るサービスを提供している。

 今17年9月期第2四半期業績実績は、売上高24億0900万円(前年同期比14.9%増)、営業利益1億0400万円(前年同期100万円)、経常利益9500万円(同300万円)、純利益6900万円(同900万円)に着地。情報通信、BPO、海外法人の全ての事業セグメントで増収、増益で、各利益指標は9期ぶりの高水準と好調。

 今17年9月期業績予想は、売上高56億5000万円(前期比27.8%増)、営業利益3億円(同2.4倍)、経常利益3億円(同3.1倍)、純利益1億9000万円(同3.5倍)と大幅増益を見込む。年間配当予想は、期末一括1円継続を予定している。

 株価は、4月13日につけた年初来の安値55円を底に7月4日に年初来高値154円と上昇。その後、モミ合っている。同社は、中期経営計画において、19年9月期売上高100億円、営業利益10億円、純利益6億8000万円の数値目標を掲げており、中長期的な視点で成長が続くとの期待が高まる。6月26日に同社の連結子会社のレカムビジネスソリューションズ(大連)有限公司(本社:中華人民共和国遼寧省大連市)の会社形態を「有限公司」より「株式有限公司」へ変更することへの中国当局の認可を受け、社名をレカムビジネスソリューションズ(大連)株式有限公司に変更したと発表済みで、同社の中国新興市場への株式上場は、順調に手続きが進めば年末までに上場承認がなされる見通し。同社の上場スケジュールが明らかになれば、中期計画達成が現実味を帯びる。目先今月10日に予定される今17年9月期第3四半期決算が順調に推移していることが確認されれば、買い直される可能性は高いことから、下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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