【株式市場特集】社名変更は攻めの経営戦略、事業転換が株価押し上げも
- 2026/3/16 08:41
- 特集

■経営統合や事業転換、ブランド強化など多様な狙いが背景
社名変更は、経営統合、事業構造転換、持株会社化、ブランド認知向上、英語表記によるグローバル化推進などを背景に行われ、企業の攻めの経営戦略を映す動きといえる。事業ポートフォリオ改革を伴う場合には株価に大きな影響を与える例もあり、コストをかけた社名変更は経営の余力と成長意欲の表れとも受け止められる。相場波乱下でも中長期では下値買いを検討する余地がある。
■4月1日予定の13社のうち6銘柄が低PERで一角に防衛関連銘柄も
4月1日に社名変更を予定している13社は、コード番号順に上げると新社名を「サントリービバレッジ&フード」に変更するサントリー食品インターナショナル<2587>(東証プライム)、同じく「WIZE」とするモブキャストホールディングス<3664>(東証グロース)、「NGK」とする日本ガイシ<5333>(東証プライム)、「エスクリプトエナジー」とするエス・サイエンス<5721>(東証スタンダード)、「ストライクグループ」とするストライク<6196>(東証プライム)「TEIKOKU」とする帝国電機製作所<6333>(東証プライム)、「YUASA」とするユアサ商事<8074>(東証プライム)、「Joshin」とする上新電機<8173>(東証プライム)、「第一ライフグループ」とする第一生命ホールディングス<8750>(東証プライム)、「NANKAI」とする南海電気鉄道<9044>(東証プライム)、「オンザページ」とするノバレーゼ<9160>(東証スタンダード)、「関通ホールディングス」とする関通(9326>(東証グロース)、「スカパーJSAT」とするスカパーJSATホールディングス<9412>(東証プライム)と続く。バリュー株が多く、PER評価が10倍台の低評価にとどまるのは、ユアサ商事の10.1倍、帝国電機製作所の12.3倍、第一生命ホールディングスの12.5倍、南海電鉄の14.1倍、サントリー食品の15.9倍である。
社名変更理由は、ユアサ商事は創業360周年を迎え複合専門商社として「モノ売り」と「コト売り」でさらに成長と発展を目指すためとしている。サントリー食品は事業領域拡大のため、帝国電機は、電子部品事業から撤退しポンプ事業に専念するためブランド名と社名を同一とし、第一生命は、グローバル展開を加速するため、南海電鉄は鉄道、不動産に次ぐ経営の第3の柱を創造するためとし、日本ガイシは、事業構成転換を加速させるために和文、英文ともアルファベット表記とした。ストライクは持株会社化による社名変更で同時に今年3月31日を基準日とする株式分割(1株を3株に分割)も発表している。またスカパーJSATは、完全子会社を吸収合併したことによる社名変更で、PERは38倍台と高いが、防衛省向けに「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」などを落札したことなどから、安全保障関連株・地政学リスク関連株人気が続き、前週末13日に昨年来高値まで買い進まれた。
■年初来変更銘柄や今後の予定16銘柄にもバリュー株が勢揃い
今後、社名変更を予定している銘柄は、来年4月1日までいまのところ16銘柄となっているが、投資妙味を示唆する関連株も多い。7月1日組では完全子会社を吸収合併して「サッポロビール」に変更するサッポロホールディングス<2501>(東証プライム)のPERは、子会社の不動産会社への外部資本導入の影響でわずか2.1倍である。ダイブ<151A>(東証グロース)は、観光HR(人材)事業と地方創生事業を経営の2本柱として推進するために持株会社化し「ダイブグループ」に社名変更するが、PERは9.9倍である。TSI<3626>(東証プライム)は、完全子会社を吸収合併して7月1日に「TISI」に変更する。ソフトウエア株として「SaaSの死」関連として株価は波乱となったが、大量の自己株式取得を発表して持ち直し、PERは15倍となお割安である。「冷機」のほか「熱機」も扱うとして「だいわ」に変更した大和冷機工業<6459>(東証プライム)のPERも15.7倍と割安である。
10月1日組では、ゲオホールディングス<2681>(東証プライム)は、ビデオレンタル店からスタートしリニューアル事業を中核とするビジネスモデルへ転換してきたが、創業40周年を迎え10月1日に「セカンドリテイリング」へ社名変更する。PERは12.3倍と割安で、ドル箱の300円ショップのブランド名は「セカンドストリート」である。12月1日組では「リトレス」に変更のリコーリース<8566>(東証プライム)がPER13.9倍、来年1月1日に「INXホールディングス」とするサカタインクス<4633>(東証プライム)はPER9.7倍である。MS&ADインシュランスグループホールディングス<8725>(東証プライム)は、傘下の損保3社の合併が認可されたことから併存関係がなくなり来年4月1日に「三井住友海上グループ」に社名変更を予定し、PERは9.8倍、配当利回り3・88%と割安である。今年1月以降に社名変更した銘柄にも妙味株がみられる。Hiクラテス<4172>(東証スタンダード)は、今年1月1日に歯科業界向けのAI・音声電子カルテルなどの総称を「Hiクラテス」としたことで旧社名の東和ハイシステムから変更したが、PERは11倍、配当利回りは3.66%の評価にしか過ぎない。Umios<1333>(東証プライム)は、今年3月1日に旧社名の「マルハニチロ」から変更しており、マルハとニチロが経営統合したのが第一創業、両社が水産資源調達力と商品開発力を強化した時期が第二創業、今回の健康事業などを展開する「ソリューションカンパニー」への転換を第三創業としている。株式分割のほか、今3月業績の2回の上方修正、増配なども発表しており、PERはまだ11倍台の評価にしか過ぎない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























