ケンコーマヨネーズ、27年3月期収益回復基調、中期経営計画を上方修正
- 2026/3/19 07:35
- アナリスト銘柄分析

ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を掲げ、サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類、および総菜関連事業を展開している。なお中長期経営計画「KENKO Vision 2035」については、一部の経営目標が早期到達したことなどを踏まえて一部見直しを行い、目標数値を上方修正した。26年3月期はコスト上昇に対する販売価格への反映遅れの影響で減益予想だが、26年4月1日納品分より実施する商品価格改定など積極的な事業展開で、27年3月期は収益回復基調だろう。株価は地合い悪化の影響で昨年来高値圏から反落したが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。
■サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類などを展開
サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業を主力として、日配サラダや総菜等のフレッシュ総菜およびグループ内生産受託の総菜関連事業等、その他(サラダ専門店Salad Cafeなど)も展開している。ロングライフサラダは国内市場シェア1位である。Salad Cafeは対面の量り売りサラダや弁当の販売を展開している。東京本社を東京都千代田区の麹町弘済ビルディングに移転し、2月24日より新オフィスとして稼働開始した。
なお同社は8月24日を「ドレッシングの日」と制定している。ドレッシングは野菜にかけて使用することが多いため、831(やさい)にかける→8×3×1=24で24日を、またカレンダーで見ると野菜の日(8月31日)の真上にあるのが8月24日であることから、野菜にドレッシングをかける様子をイメージして8月24日を「ドレッシングの日」と制定した。
25年3月期のセグメント別売上高(外部顧客に対する売上高)は、調味料・加工食品事業(単体)が718億87百万円、総菜関連事業等(連結子会社)が189億54百万円、その他(サラダカフェ等)が8億61百万円だった。調味料・加工食品事業の内訳は、サラダ・総菜類が209億48百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が273億55百万円、タマゴ加工品が217億95百万円、その他が17億88百万円だった。営業利益(調整前)は調味料・加工食品事業が38億94百万円、総菜関連事業等が8億62百万円、その他が3百万円、調整額が84百万円だった。販路別売上高構成比は外食が28.9%、量販店が27.8%、CVSが21.2%、パン(製パンメーカー等)が12.4%、給食(学校、老健施設等)が4.5%、その他が5.3%だった。
■ビジョンは「サラダ料理で世界一になる」
25年3月期から36年3月期までの12年間を対象とする中長期経営計画「KENKO Vision 2035」では、ビジョンに「サラダ料理で世界一になる」を掲げている。そして一部の経営目標が早期到達したこと(営業利益とROEが計画比上振れ)などを踏まえ、26年2月に一部見直しを行った。
新たなコンセプトに「『Global Food Solution Company」への転換 ~食の『困った』を『ワクワク・ドキドキ』に変える~』を掲げ、基本戦略をアップデートして「事業ポートフォリオの再構築と成長戦略の見直し」「スマート化戦略の位置づけ再整理」「資本コストや株価を意識した経営のさらなる深化」とした。
基本戦略アップデートの骨子として、事業ポートフォリオの再構築と成長戦略の見直しでは「顧客IN」と「共創」による既存事業の販売拡大、Salad Cafeと料理教室(キッチンスペース831)の最適化、海外売上高比率の引き上げ(35年度目標について当初計画は10%、今回計画は30%)、スマート化戦略の位置づけ再整理ではDXからBX(ビジネスプロセスの変革)への進化、共創によるインキュベーション機能の構築、競争優位の源泉の創造と生産性向上を担うIT戦略の策定、資本コストや株価を意識した経営のさらなる深化ではキャッシュ・ベース・マネジメントへの移行、成長性・収益性・健全性の長期的なバランスを意識した投資の推進、配当政策の見直しとした。
なお目標値の項目に関しては従来の営業利益をEBITDAマージンへ、ROEをROICへ変更した。そして修正後の目標値はPhase1(25年3月期~28年3月期)で連結売上高1020億円(従来の1020億円を据え置き)、EBITDAマージン7.0%(従来は営業利益33億円)、ROIC6.0%以上(従来はROE未公表)、Phase2(29年3月期~32年3月期)で連結売上高1,450億円(従来は連結売上高未公表)、EBITDAマージン10.0%(従来は営業利益未公表)、ROIC6.5%以上(従来はROE未公表)、Phase3(33年3月期~36年3月期)で連結売上高2000億円(従来の1250億円から上方修正)、EBITDAマージン12.0%(従来は営業利益75億円、営業利益率6.0%)、ROIC9.0%以上(従来はROE8.0%以上)としている。なおネットD/Eレシオについては長期的に1.5以下を目指す。
Phase1のキャッシュアロケーションとしては、キャッシュイン(営業CF)240億円に対して、キャッシュアウトはM&A・グループ再編・設備能力増強などの成長投資に150億円、環境投資・東京本社移転・IT投資などの基盤強化投資に60億円、株主還元に30億円の計画としている。
株主還元については、安定的に継続した株主還元を行うためDOE(株主資本配当率)を指標とした。そしてDOEを段階的に引き上げ、Phase1の28年3月期に2.5%以上、Phase2の32年3月期に3.5%以上、Phase3の36年3月期に4.0%以上を目指す。
■サステナビリティを意識した新製品
23年9月には、新たなプラントベースフードとして、植物性原料を使用した「タマゴ風加工品」を発表した。プラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、植物性たまごの研究開発・販売を行うUMAMI UNITED JAPANと協業し、主力の「タマゴ加工品」の新たなカテゴリーとなる「植物性タマゴ加工品」として商品を開発・展開する。23年10月にはフードサービス業界向けプラントベース商品「HAPPY!! with VEGE」シリーズとして、たまご不使用のプラントベースのたまご風サラダ「まるでたまごのサラダ」を発売開始した。
25年3月には、子会社ダイエットクックサプライ(広島県福山市)が地元・広島で規格外食材を活用する商品ブランド「福山工場長」が、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会主催「ソーシャルプロダクツ・アワード2025」ソーシャルプロダクツ賞を受賞した。25年8月には製造日+90日の賞味期限を実現したロングライフサラダ「FDF Plus」シリーズが、日本食糧新聞社主催「第29回業務用加工用食品ヒット賞」を受賞した。食品ロス削減に貢献したことが評価された。25年10月には「FDF Plus」シリーズによる配送効率化と食品ロス削減が評価され、食品産業新聞社主催「第55回食品産業技術功労賞(サステナビリティ部門)」を受賞した。
25年12月には、サステナビリティへの取り組み事例として、工場で排出された「卵殻」を配合したサステナブル素材から「箸」「鉢」「トレー」を作る事例を紹介している。また25年12月には農研機構、東京農工大学、日本大学生物資源科学部、信州大学農学部、キューピー等が連携して始動した「畜産の新たな社会的価値の創出研究開発プラットフォーム」に参画した。
■26年3月期減益予想だが27年3月期収益回復基調
26年3月期連結業績予想(25年11月14日付で売上高、利益とも下方修正)は売上高が前期比1.2%増の928億円、営業利益が21.6%減の38億円、経常利益が21.0%減の39億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が29.5%減の24億70百万円としている。
なお配当予想については26年2月13日付で期末20円上方修正し、前期比24円増配の67円(第2四半期末23円、期末44円)としている。連続増配で予想配当性向は40.5%となる。現中長期経営計画のフェーズ3(32年度~35年度)で計画していたDOE2.5%を前倒しで実施することとした。
第3四半期累計は売上高が前年同期比0.4%減の702億62百万円、営業利益が22.4%減の35億64百万円、経常利益が21.8%減の36億74百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.1%減の23億96百万円だった。
売上面はマヨネーズ・ドレッシング類が伸長したものの、総菜関連事業等におけるフレッシュサラダが減少し、全体として小幅減収だった。利益面は減収影響のほか、コスト上昇(鶏卵の高止まりなど原材料費の増加、物流費や人件費の増加など)と価格改定のタイムラグも影響して減益だった。
販路別の売上高は外食が0.9%増の206億09百万円、量販店が2.0%減の191億76百万円、CVSが3.4%減の145億05百万円、パンが2.4%増の86億78百万円、給食が2.1%増の32億59百万円、その他が4.0%増の40億32百万円だった。
営業利益10億26百万円減益の要因分析は、価格改定効果で16億91百万円増加、生産効率悪化で73百万円減少、販売数量減少で4億54百万円減少、物流費増加で2億52百万円減少、原材料影響で14億71百万円減少、固定経費等の増加で4億68百万円減少だった。
調味料・加工食品事業(同社単体ベースの事業)は、売上高(外部顧客に対する売上高)が0.7%増の558億87百万円、営業利益(セグメント間取引等調整前)が28.0%減の26億86百万円だった。マヨネーズ・ドレッシング類が伸長したが、全体として売上高が小幅増収にとどまり、コスト上昇と価格改定のタイムラグも影響して減益だった。売上高の内訳はサラダ・総菜類が0.0%減の162億66百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が1.9%増の214億68百万円、タマゴ加工品が0.2%減の167億43百万円、その他が0.8%増の14億09百万円だった。
総菜関連事業等(連結子会社の事業)は、売上高が3.9%減の138億02百万円、営業利益が10.7%増の8億45百万円だった。売上面は販売先における一部内製化の影響により減収だったが、利益面は価格改定効果により増益だった。
その他(サラダカフェ)は、売上高が13.7%減の5億72百万円、営業利益が24百万円の損失(前年同期は8百万円)だった。減収減益だった。2店舗の退店に加え、百貨店の客数減少、材料価格高騰も影響した。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が226億75百万円で営業利益が7億62百万円、第2四半期は売上高が232億66百万円で営業利益が11億82百万円、第3四半期は売上高が243億21百万円で営業利益が16億20百万円だった。
通期連結業績予想は前回予想を据え置いている。売上面は小幅増収だが、利益面は調味料・加工食品事業における価格改定のタイムラグなどが影響する見込みだ。セグメント別売上高の計画は、調味料・加工食品事業が2.5%増の736億94百万円(サラダ・総菜類が3.2%増の216億15百万円、マヨネーズ・ドレッシング類が2.7%増の280億96百万円、タマゴ加工品が1.9%増の222億06百万円、その他が0.8%減の17億74百万円)で、総菜関連事業等が販売先一部内製化の影響などにより3.2%減の183億49百万円、その他が2店舗退店の影響などにより12.1%減の7億57百万円としている。
営業利益10億45百万円減益の要因分析(計画)は、価格改定効果で27億15百万円増加、生産効率改善で20百万円増加、販売数量減少で3億30百万円減少、物流費増加で3億35百万円減少、原材料影響で21億12百万円減少、固定経費等の増加で10億04百万円減少としている。
26年3月期はコスト上昇に対する販売価格への反映遅れの影響で減益予想だが、26年4月1日納品分より実施する商品価格改定など積極的な事業展開で、27年3月期は収益回復基調だろう。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年3月末日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて当社商品を贈呈している。
■株価は上値試す
株価は地合い悪化の影響で昨年来高値圏から反落したが、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月18日の終値は2200円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS165円32銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の67円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2678円13銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約362億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)




















