ピックルスコーポレーションは高値圏、18年2月期大幅増益予想

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 ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、惣菜分野への事業展開も加速している。18年2月期大幅増益予想、そして増配予想である。株価は上場来高値圏だ。上値を試す展開が期待される。

■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上

 漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、さらに新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。

 17年2月期の品目別売上高構成比は自社製品61%(浅漬・キムチ42%、惣菜16%、ふる漬3%)、商品(漬物・調味料・青果物・その他)39%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。

 16年3月フードレーベルホールディングス(FLH)を子会社化、16年12月FLHの子会社フードレーベルがFLHを吸収合併してフードレーベルの株式を直接所有とした。また九州地区で事業拡大するため佐賀工場を新設する。なお17年8月には連結子会社である青果市場運営の県西中央青果(茨城県古河市)の株式全部を譲渡した。

■18年2月期3Q累計は大幅増益

 今期(18年2月期)第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比2.7%増の281億36百万円、営業利益が65.0%増の10億96百万円、経常利益が61.5%増の11億74百万円、純利益が59.9%増の7億76百万円だった。
 
 売上面では主力のキムチ製品などが堅調に推移した。利益面では、第1四半期に原料価格高騰の影響を受けたが、第2四半期以降は原料を比較的安定した価格で調達できたことも寄与して大幅増益だった。売上総利益率は23.7%で2.1ポイント上昇、販管費比率は19.8%で0.6ポイント上昇した。

■18年2月期大幅増益予想、配当も増額して増配予想

 今期(18年2月期)の連結業績予想(10月13日に増額修正)は、売上高が前期(17年2月期)比5.8%増の378億60百万円、営業利益が78.6%増の13億93百万円、経常利益が71.9%増の14億90百万円、純利益が76.8%増の9億69百万円としている。生産体制の強化を図るため食品会社の株式取得を予定している。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が74.3%、営業利益が78.7%、経常利益が78.8%、純利益が80.1%と順調である。記録的な寒波に伴う野菜価格の動向に注意が必要だが、通期ベースでも好業績が期待される。

 なお配当予想は1月23日に増額修正した。期末に東証1部指定記念配当3円を実施し、年間25円(期末一括)とする。17年2月期比でも3円増配となる。予想配当性向は15.1%となる。

 主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのリニューアルや新製品開発、既存取引先への拡販や新規取引先の開拓、西日本エリアでの生産能力増強や営業強化、契約栽培拡大など原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直し、市場規模が大きい惣菜分野への事業展開加速などを推進している。中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は上場来高値圏

 株価(17年11月6日付で東証2部から東証1部に市場変更)は、10月の高値2144円を突破して、1月10日に上場来高値となる2185円まで上伸した。その後は利益確定売りが優勢になったが自律調整の範囲だろう。

 1月30日の終値1925円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS165円93銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1587円08銭で算出)は1.2倍近辺である。時価総額は約123億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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