日本エンタープライズはほぼ底値圏、中期成長に向けて事業ポートフォリオ再構築

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 日本エンタープライズ<4829>(東1)は、店頭アフィリエイトサービス事業譲渡も影響して18年5月期減収・営業減益予想だが、中期成長に向けて事業ポートフォリオ再構築を推進する。EC分野やM2M/IoT分野へ事業領域を拡大する戦略だ。株価は水準を切り下げる展開だが、ほぼ底値圏だろう。

■コンテンツサービス事業とソリューション事業を展開

 自社サービスのクリエーション事業(交通情報、ライフスタイル、エンターテインメントなどのモバイルコンテンツをキャリアの定額制サービスで配信するコンテンツサービス、およびビジネスサポートサービス、太陽光発電など)と、受託サービスのソリューション事業(システム受託開発・運用サービス、店頭アフィリエイトを中心とした広告代理サービス、海外サービスなど)を展開している。

 事業ポートフォリオ再構築で17年12月に、店頭アフィリエイトサービス事業をテレステーションに譲渡(18年2月)すると発表した。中期成長に向けてM&A・アライアンスも積極活用し、ネイティブアプリの開発力強化、ゲームコンテンツ市場への本格参入、法人向け業務支援サービスの早期収益化、成長分野のM2M/IoTへの事業領域拡大などを推進する。

 重点戦略としては、ヘルスケアアプリ「女性のリズム手帳」、総合電子書籍サービス「BOOKSMART」、フリマアプリ「Dealing」、道路・渋滞情報サービス「交通情報サービス」、メッセンジャーアプリ「Fivetalk」、クーポンアプリ「振ってクーポン」の6つのコンテンツプラットフォームを核としてサービス連携・拡充を推進する。

 18年2月には子会社の会津ラボとエナリス<6079>が、福島県の再生可能エネルギー関連技術実証支援事業の一環として、ブロックチェーンと「SMART PLUG」を活用した「高齢者見守りサービス」の実証試験を開始した。

■18年5月期減収・営業減益予想

 18年5月期の連結業績予想(1月31日に売上高、営業利益、経常利益を減額修正、純利益を増額修正)は、売上高が17年5月期比16.5%減の40億40百万円で、営業利益が24.5%減の1億45百万円、経常利益が横ばいの2億30百万円、純利益が11.1%増の1億10百万円としている。配当予想は17年5月期と同額の年間2円(期末一括)としている。予想配当性向は73.8%となる。

 キャリアプラットフォーム向けコンテンツ市場の縮小、豊洲市場への移転延期に伴う鮮魚EC「いなせり」への影響、中国における携帯電話販売の不採算販売抑制の影響、さらに店頭アフィリエイトサービスの事業譲渡などで売上高が計画を下回る。減収による売上総利益の減少で営業利益は減益見込みである。なお営業外での補助金収入の増加で経常利益は横ばい見込み、店頭アフィリエイトサービスの事業譲渡益1億43百万円の計上で純利益は増益見込みである。

■株価はほぼ底値圏

 株価は2月6日に昨年来安値206円まで調整した。その後一旦反発したが、地合い悪化も影響して反落し、2月安値に接近している。

 3月5日の終値219円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS2円71銭で算出)は81倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は0.9%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS122円14銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約89億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、ほぼ底値圏だろう。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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