マルマエは調整一巡して反発期待、受注好調で18年8月期大幅増収増益予想

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 マルマエ<6264>(東2)は半導体・FPD製造装置に使用される真空部品などの精密切削加工事業を展開している。受注好調で18年8月期大幅増収増益予想である。6月の受注残高も前年比34.5%増と好調だ。株価は7月6日発表の公募増資も嫌気する形で水準を切り下げたが、調整一巡して反発を期待したい。

■真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開している。

 収益拡大戦略として、需要拡大基調の半導体分野の生産力強化・生産性向上、作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)などを推進している。

 半導体分野の需要拡大に対応するため、パイオニアプラズマディスプレイ鹿児島工場の一部を取得し、出水事業所として18年4月操業開始した。新たに電子ビーム溶接関連の生産も開始した。

■受注好調で18年8月期大幅増収増益予想

 18年8月期の非連結業績予想(5月12日に増額修正)は、売上高が17年8月期比48.9%増の45億20百万円、営業利益が64.9%増の12億60百万円、経常利益が68.2%増の12億40百万円、純利益が61.7%増の8億70百万円としている。

 半導体分野は生産能力増強の進展も寄与して受注が拡大基調である。FPD分野の受注も計画を上回る水準で推移している。労務費や減価償却費の増加、出水事業所取得に伴う登録免許税の発生などを吸収して大幅増益予想である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比62.1%増の33億45百万円、営業利益が96.0%増の9億45百万円、経常利益が99.2%増の9億35百万円、純利益が2.0倍の6億70百万円だった。受注が好調に推移し、減価償却費や労務費の増加、さらに想定外だった登録免許税の発生などを吸収した。通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.0%、営業利益75.0%と順調である。

 なお月次受注残高(速報値)を見ると、18年6月は半導体分野が8億11百万円(前月比3.3%増、前年同月比43.9%増)、FPD分野が3億44百万円(前月比4.4%減、前年同月比23.8%増)、その他分野が8百万円、合計が11億65百万円(前月比0.7%増、前年同月比34.5%増)だった。

 配当予想は年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。17年3月1日付株式2分割を考慮して17年8月期を年間10円に換算すると10円増配となる。予想配当性向は27.4%となる。

 なお18年8月期を最終年度とする中期計画の進捗について、売上高(目標40億円)と営業利益(目標10億円)は達成するが、配当性向(目標35%)は設備投資に注力するため未達となる。また期間中の東証1部への市場変更は、社内体制強化の遅れで達成困難となったが、引き続き最短での1部指定を目指すとしている。

■株主優待制度は毎年8月末に実施

 株主優待制度は、毎年8月末日現在、6ヶ月以上継続して1単元(100株)以上(17年3月1日付株式2分割後)保有株主を対象として、クオカード1000円分を贈呈する。17年8月期末から実施している。

■株価は調整一巡して反発期待

 7月6日に設備投資のための資金調達として、新株式発行(公募増資100万株)およびオーバーアロットメントによる売り出し(上限15万株)を発表した。

 株価(17年3月1日付で株式2分割、18年1月1日付で東証マザーズから東証2部に市場変更)は、5月の戻り高値圏1800円近辺から反落し、7月6日発表の公募増資も嫌気する形で7月9日の1213円まで水準を切り下げた。

 7月17日の終値1271円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS73円04銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約1.6%、前期実績PBR(前期実績のBPS263円36銭で算出)は約4.8倍である。時価総額は約151億円である。調整一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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