【編集長の視点】ヒューマンウェブは安寄り後に切り返し続急伸、初値水準で下値抵抗力を発揮し割安直近IPO株人気が優勢

ヒューマンウェブ<3224>(東マ)

は、63円安の2055円と急反落して始まった。前日25日の米国ニューヨーク・ダウ平均株価の292ドル安の急落を受け、きょう26日の日経平均株価が、141円安と反落してスタートしたことで、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行した。ただこの寄り付きの安値後は、同社が、今年3月19日に公開価格1800円で新規株式公開(IPO)されたときにつけた初値2010円目前となっており、下値抵抗力を発揮して割安直近IPO株買いが優勢となり、61円高の2179円と切り返して続急伸している。特許出願中の浄化安全加工技術などをベースに種苗から販売までを一貫して行う6次産業化へ向けた取り組みや牡蠣という食材を中心とした独自のビジネスモデルも、再評価されている。

■特許出願中の浄化技術で安全な「牡蠣」を提供し国内シェアはトップ
同社は、100%子会社の日本かきセンターで牡蠣の浄化安全加工と卸売事業を行っているほか、同社自体が、オイスターバーの直営店舗28店舗を展開、この独自の外食事業のシェアは32.6%と国内最大となっている。この浄化安全加工は、紫外線殺菌のほか、特許出願中の海洋深層水の「かけ流し」などにより実現しており、同社が沖縄県久米島に建設した研究施設では日本初の海洋深層水を使用する牡蠣の陸上養殖の共同研究を加速化し、東京大学とも牡蠣養殖の飼料となる微細藻類の大量培養の共同研究に取り組んでいる。

業績も、同社の直営店舗こ客向けで発行しているポイントカードシステム「オイスター・ピース・クラブ」の顧客会員数が、昨年9月に30万人を突破し、昨年12月に海洋深層水による牡蠣の浄化をアピールする新ブランド「キンカウーカ スペシャリティオイスター」を2店舗オープンしたことなどから順調に推移している。今3月期業績は、売り上げ39億700万円(前期比23.5%増)、経常利益2億4200万円(同12.0%増)、純利益1億6100万円(同4.9%増)と予想している。

■PER16倍台の割安修正で「小さく生んで大きく育てる」高値追いが有望

株価は、2010円で初値をつけ上場来高値2244円をつけたあと同安値1854円と下ぶれたが、下げ過ぎとして初値を再び上抜いてきた。PERは16倍台とIPO株として相対的に割安であり、IPO株と投資鉄則の「小さく生んで大きく育てる」通りに再度の最高値挑戦から上値期待を高めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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