【編集長の視点】セイコーHDは11月の訪日外客数の連続過去最高で関連割安株買いが膨らみ急続伸

編集長の視点

 セイコーホールディングス<8050>(東1)は、19円高の750円と急続伸して始まっている。前日16日大引け後に日本政府観光局が、11月の訪日外客数の推計値を発表、10月に続いて月間での年初来の累計でも過去最高を更新しており、同社株にインバウンド関連の割安株買いが増勢となっている。前回11月18日の10月推計値の発表では、もっとも同社株の感応度が高く年初来高値838円をつけた急騰場面の再現期待も高めている。きょう17日の日経平均株価が、前日のFRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利引き上げを受けて427円高と大幅続伸し、ほぼ全面高でスタートしていることもサポートしている。

銀座にプレミアムブティックを新規オープンしウオッチ事業が好調に推移

11.jpg
「セイコープレミアムブティック」東京・銀座

 11月の訪日外客数は、前年同月比41.0%増の164万7600人と11月月間として前年11月実績を上回って過去最高となり、1月~11月の累計でも、前年同期比47.5%増の1796万4400人と同じく過去最高を連続更新、すでに前年2014年の年間外客数の1341万3467人を455万人も上回った。学校休暇に入ったマレーシア、フィリピンの訪日旅行者数が大きく増加したほか、紅葉シーズン入りで紅葉観賞などを目的とした訪日需要も増え、円安基調の継続と消費税免税制度の拡充による買い物需要、さらに航空路線拡大、燃油サーチャーザーの値下がり、査証免除などの好条件が加わったことが要因となった。

 セイコーHDは、インバウンド需要を大きくウオッチ事業で享受している。世界初のGPSソーラーウオッチ「アストロン」の新モデルなどのメンズウオッチやレディウオッチが人気商品となっており、今年7月には東京銀座にセイコープレミアムブティックを新規オープンしたことなども寄与している。また小売り事業の和光事業などでも、宝飾品などへ値強い人気が続いている。

 同社は、今年8月にこのインバウンド需要に支えられて今3月期第2四半期(2Q)累計業績を上方修正し業績面でもメリットを謳歌、2Q累計業績は、この上方修正値を上ぶれ増益率を大きく伸ばして着地した。3月通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ3200億円(前期比9.0%増)、営業利益160億円(同37.1%増)、経常利益160億円(同29.3%増)、純利益120億円(同44.9%減)と見込んでいるが、上ぶれ着地した2Q累計業績が、通期業績対比で高進捗率を示していることから、前期と同様に期末に向け業績上ぶれ期待も高まってくる。なお通期純利益の減益転換は、前期に計上した固定資産売却益91億円、投資有価証券売却益77億円が一巡するためで、実質では増益となる。

前回11月の訪日外客数発表では年初来高値更新と株価感応度はピカイチ

 株価は、今期2Q累計業績の上方修正で800円台に乗せ、世界同時株安の波及でほぼ往って来いの665円まで調整したが、11月18日の10月の訪日外客数の発表では大手証券の目標株価引き上げも加わって年初来高値838円と再急騰、株価感応度はピカイチで、この急騰幅の半値押し水準で下値固めを続けてきた。PERは12倍台と割安であり、再度の高値挑戦からさらに上値を伸ばそう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■オーダーメイド開発と人材リスキリングで業務変革を伴走支援  ベルシステム24ホールディングス<6…
  2. ■調査件数拡大と効率化で追徴税額1431億円  国税庁は12月、令和6事務年度における所得税および…
  3. ■企業の6.5%がクマ出没による業務影響と回答、宿泊業で4割に迫る  東京商工リサーチ(TSR)は…
2026年1月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■上場来高値更新の金先物、産金・再資源化・再販株に資金集結  当コラムでは昨年来、何度も金関連株を…
  2. ■地政学リスクの影が迫る市場、ヘッジ先は金関連株にあり  しばしばニュースで報じられる高齢ドライバ…
  3. ■金融政策転換が映す相場の地殻変動、投資視点は次の段階へ  長期にわたり株式市場を押し上げてきた金…
  4. ■為替が握る業績相場の行方、円安継続が選別相場を加速  株式市場が金融環境主導の相場から業績重視の…
  5.  再生可能エネルギーの次を見据えた次世代エネルギー分野では、実用化への距離が縮まりつつある核融合発電…
  6. ■AI圏外で存在感を増すディープ・テック、次世代エネルギー関連株に再評価余地  ハイテク株市場では…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る