トレジャー・ファクトリーは上値試す、19年2月期大幅増益予想で20年2月期も収益拡大期待

日インタビュ新聞ロゴ

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。19年2月期大幅増益予想である。19年2月の既存店売上は6ヶ月連続の前年比プラスと好調だった。20年2月期も収益拡大が期待される。株価は戻り一服の形だが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■リユースショップを展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

 19年1月11日時点の店舗数は、グループ合計185店舗(海外2店舗含むトレジャー・ファクトリー63店舗、トレファクスタイル50店舗、ブランドコレクト2店舗、トレファクスポーツ4店舗、ユーズレット4店舗、トレファクマーケット1店舗、16年9月子会社化したカインドオル40店舗、18年3月子会社化したゴルフキッズ21店舗)である。

 18年11月には、千葉県千葉市の幕張エリアに、新たな旗艦店として初の複合店(総合業態トレジャー・ファクトリーにスポーツ・アウトドア業態トレファクスポーツを併設)をオープンした。

 中期成長戦略として、既存店の強化、国内主要都市への複数業態を組み合わせた新規出店、M&Aの活用、海外事業拡大(19年1月18日にタイ・バンコク3号店をオープン)などを推進している。

 新規事業ではECドレスレンタル「Cariru」事業や、トレファク引越+買取サービス事業に注力している。またEC事業の本格展開やビッグデータを活用した新規ビジネスの創出に向けて、19年1月にはシステム開発のデジタルクエストを子会社化した。

■19年2月期大幅増益予想、20年2月期も収益拡大期待

 19年2月期連結業績予想は、売上高が18年2月期比8.3%増の177億99百万円、営業利益が31.6%増の8億18百万円、経常利益が25.7%増の8億41百万円、純利益が60.2%増の5億54百万円としている。配当予想は18年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は32.6%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比7.8%増の130億12百万円、営業利益が39.9%増の6億44百万円、経常利益が34.1%増の6億72百万円、純利益が32.2%増の4億42百万円だった。新規出店は単体直営12店舗で、単体既存店売上は100.2%と堅調だった。さらに売上総利益率改善(0.3ポイント上昇の62.5%)や販管費コントロール効果で計画超の大幅増益だった。子会社カインドオルの営業黒字化も寄与した。

 通期ベースでは、12店舗前後の新規出店、既存店売上100%、既存店売上総利益率0.5ポイント改善、子会社カインドオルおよびゴルフキッズの収益改善を見込み、海外事業も黒字化を目指している。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、19年2月は全店105.4%、既存店101.9%だった。既存店売上は6ヶ月連続の前年比プラスだった。服飾雑貨やホビー用品が好調だった。18年3月~19年2月累計では全店107.1%、既存店101.1%となった。また19年2月の新規出店は0店舗、退店は0店舗で、19年2月末時点の店舗数は122店舗となった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高73.1%、営業利益78.7%と順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。そして20年2月期も収益拡大が期待される。

■株主優待制度は2月末の株主対象

 株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象に実施している。

■株価は上値試す

 株価は2月6日の837円から反落して戻り一服の形だが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。3月11日の終値は759円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS48円76銭で算出)は約16倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.1%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS348円09銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約88億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る