【アナリスト水田雅展の銘柄分析】マルマエは今期業績予想再増額の可能性、収益改善基調を評価してモミ合い上放れ

銘柄分析

 マルマエ<6264>(東マ)は精密部品加工事業を展開している。株価は戻り高値圏でモミ合う展開だが、下値を着実に切り上げて煮詰まり感も強めている。15年8月期業績予想は再増額の可能性が高く、収益改善基調を評価してモミ合い上放れの展開だろう。なお5月14日に月次受注残高(4月度)の公表を予定している。

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を展開し、新規分野として光学装置分野などの精密加工も強化している。

 15年1月に事業再生計画(11年7月に事業再生ADR成立)の終結を発表した。16年10月末日の最終弁済をもって終了する計画だったが、強固な収益体質の確立と財務体質の改善に目途がついたため、終了期間を前倒しして15年1月末日をもって事業再生計画を終結した。

 なお残存債務については金融機関から新たに通常の借入を行ったうえで弁済する。債務の株式化を行ったA種優先株式については、分配可能額が積み上がる早い時期に買い戻しを行う方針としている。

 今期(15年8月期)の非連結業績予想(2月9日に増額修正)は、売上高が前期比23.0%増の19億50百万円、営業利益が同12.1%増の3億円、経常利益が同11.5%増の2億85百万円、純利益が同2.5%減の2億95百万円としている。受注の増加や生産性の向上で増収増益見込みだ。

 第2四半期累計(9月~2月)は売上高が前年同期比45.8%増の10億23百万円の大幅増収となり、営業利益が同55.9%増の1億71百万円、経常利益が同62.0%増の1億68百万円、純利益が同61.4%増の1億81百万円の大幅増益だった。なお純利益は「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に係る補助金」による特別利益15百万円も寄与した。

 四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(9月~11月)3億84百万円、第2四半期(12月~2月)6億39百万円で、営業利益は第1四半期41百万円、第2四半期1億30百万円である。収益改善基調を鮮明にしている。

 15年3月度の月次受注残高(速報値)は半導体分野が1億82百万円、FPD分野が87百万円、その他分野が13百万円、合計が2億84百万円(前月比5.6%増加、前年同月比56.4%増加)だった。

 その他分野はユニット受注が一旦落ち着いたため受注残高が減少したが、半導体分野は受注(受注残高は前月比11.6%増、前年同月比2.6倍増)および出荷検収とも増加基調だ。またFPD分野も国内外の設備投資活発化に伴って受注残高は前月比40.8%増、前年同月比77.5%増と回復が本格化している。

 通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.5%、営業利益が57.0%、経常利益が59.0%、純利益が61.4%と高水準である。半導体分野の受注・出荷検収が好調であり、FPD分野の受注も回復が本格化している。増収効果や生産性向上効果で売上原価率が一段と改善しそうだ。通期予想は再増額の可能性が高いだろう。

 株価の動きを見ると、1100円台でやや上値が重くなり戻り高値圏でモミ合う展開だが、下値切り上げトレンドを継続してモミ合い煮詰まり感も強めている。

 5月11日の終値1120円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS168円00銭で算出)は6~7倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS86円03銭で算出)は13倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を着実に切り上げている。また13週移動平均線と26週移動平均線とも上向きで強基調に変化はない。15年8月期業績予想は再増額の可能性が高く、収益改善基調を評価してモミ合い上放れの展開だろう。

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