サンコーテクノの20年3月期は機能材事業が好調で増収増益

■民間工事は前年を下回ったが、公共工事が増加

 あと施工アンカーのサンコーテクノ<3435>(東2)の20年3月期は、機能材事業が好調で増収増益となった。

 同社は、コンクリート構造物に付帯物を取り付ける際に必要なあと施工アンカーのリーディングカンパニーで、ファスニング事業と油圧電動工具、電子基板、アルコール検知器を取り扱う機能材事業を展開している。商品開発力には定評があり、現場のニーズをくみ取り、商品開発を進めている。

 20年3月期連結業績は、売上高184億90百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益15億08百万円(同14.5%増)、経常利益15億29百万円(同14.7%増)、純利益10億08百万円(同6.9%増)であった。

 セグメント別業績は、ファスニング事業では、各種設備工事等の需要は、民間工事は前年を下回ったが、公共工事が増加したことで、全体としての需要は堅調であった。そのため、主力製品であるあと施工アンカーの販売は好調であった。また、完成工事高が減少した一方、ドリル・ファスナー製品の販売が微増となったことから、売上高は140億07百万円(同0.1%増)、セグメント利益18億86百万円(同 2.5%増)と増収増益なった。

 機能材事業は、電動油圧工具関連の販売が、国内を中心に好調に推移し、電子基板関連及びアルコール検知器関連も好調に推移した。さらに、新たに包装・物流機器関連が加わったことにより売上高が増加いたしました。 この結果、売上高は44億82百万円(同48.0%増)、セグメント利益は4億55百万円(同71.1%増)と大幅増収増益。

 増収増益と好調であったことから、配当については2円増配の26円とした。

 なお、今期(2021年3月期)の連結業績予想については、多くの企業が、コロナウイルスの影響で、未定としているなか、同社の場合は、新型コロナウイルス感染症の影響による一部建設工事の中断等を受け、グループの製品・サービスの需要は上半期においては一定の影響を受けるものの、徐々に安定化し、下半期における影響は限定的なものと想定している。

 その結果、21年3月期連結業績予想は、売上高180億円(前期比2.7%減)、 営業利益11億70百万円(同22.4%減)、経常利益11億90百万円(同22.2%減)、純利益8億円(同20.7%減)を見込む。

 配当については、前期と同じく26円としている。

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