アールシーコアはウッドショックなどで22年3月期3Q累計営業赤字拡大だが、受注は15.7%増と好調

(決算速報)
 アールシーコア<7837>(JQ、新市場区分スタンダード)は1月31日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。コロナ過の影響などで小幅増収にとどまり、さらにウッドショックなども影響して、営業利益と経常利益の赤字が拡大した。通期の黒字予想は据え置いた。不透明感が強いが、第3四半期累計のグループ全体の契約(受注)高は前年比15.7%増と好調に推移しており、23年3月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏に回帰したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計営業赤字、23年3月期の収益回復期待

 22年3月期第3四半期累計連結業績(収益認識基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比1.0%増の119億77百万円、営業利益が3億99百万円の赤字(前年同期は3億11百万円の赤字)、経常利益が4億24百万円の赤字(同3億36百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が2億91百万円の赤字(同3億49百万円の赤字)だった。

 コロナ過の影響などで小幅増収にとどまり、さらにウッドショック(木材供給不足や相場上昇)なども影響して、営業利益と経常利益の赤字が拡大した。直販部門は売上高(セグメント間取引調整前)が7.2%増の40億07百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が5.0%減の3億71百万円、販社部門は売上高が6.1%減の53億15百万円で利益が53.9%減の1億23百万円、BESSパートナーズは売上高が13.8%増の46億10百万円で利益が70百万円の黒字(前年同期は33百万円の赤字)だった。
 
 ただし営業システム改善効果などで、グループ全体の契約(受注)高は15.7%増の115億26百万円(内訳は直販部門が20.7%増の34億51百万円、販社部門が4.4%減の30億01百万円、BESSパートナーズが27.9%増の50億74百万円)と好調に推移している。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が38億48百万円で営業利益が89百万円の赤字、第2四半期は売上高が43億75百万円で営業利益が25百万円の黒字、第3四半期は売上高が37億54百万円で営業利益が3億35百万円の赤字だった。

 通期の連結業績予想(21年11月12日に利益を下方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比4.5%増の165億円、営業利益が80百万円の黒字(21年3月期は2億52百万円の赤字)、経常利益が30百万円の黒字(同3億57百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が30百万円の黒字(同5億34百万円の赤字)としている。配当予想(21年11月12日に期末10円下方修正)も据え置いて21年3月期比5円増配の25円(第2四半期末15円、期末10円)としている。

 22年3月期は黒字転換見込みとしている。コロナ禍やウッドショックの影響で不透明感が強いが、第3四半期累計の受注が好調に推移しており、23年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値圏に回帰したが、調整一巡して出直りを期待したい。1月31日の終値は744円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円15銭で算出)は約104倍、時価総額は約34億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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