ピックルスコーポレーションは戻り試す

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 ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、キムチ製品や惣菜製品の拡大、EC・外食・小売領域への展開を推進している。21年2月期増収増益予想である。新型コロナウイルスの影響は軽微の見込みとしている。収益拡大を期待したい。株価は着実に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上

 漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力が向上し、キムチ製品や惣菜製品の開発強化と新製品の積極投入、西日本エリアへの販売拡大、量販店惣菜売場・ドラッグストア・配食事業など販売先の拡大、新たな販売チャネルとしてのEC・外食・小売領域への展開を推進している。

 19年2月期の品目別売上構成比は製品63.9%(浅漬・キムチ41.8%、惣菜20.1%、ふる漬2.0%)および商品(漬物、調味料、その他)36.1%だった。販路別売上構成比は量販店・問屋等74.9%、コンビニ15.9%、外食・その他9.2%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。収益面の特性としては、天候不順などによる野菜(特に胡瓜と白菜)価格の影響を受ける傾向がある。

■新たな販売チャネルに展開

 新たな販売チャネルへの展開として18年4月、ピーネ12乳酸菌活用した商品のECサイト「ピーネオンラインショップ」と、国産・化学調味料不使用にこだわった漬物のECサイト「八幡屋オンラインショップ」を開設した。19年4月にはピーネ関連製品を製造する新工場が完成した。

 またグループ商品を活用した外食(レストラン・カフェ)事業および小売(漬物・甘酒・調味料等の販売)事業に参入する。運営子会社OHが埼玉県飯能市の施設「OH!!!発酵・健康・食の魔法」の運営準備を進めているが、事業開始は新型コロナウイルスを考慮して20年9月上旬予定に変更した。

 中期目標値には、23年2月期売上高457億円(浅漬・キムチ209億36百万円、惣菜93億91百万円、ふる漬8億73百万円、商品144億98百万円)、営業利益20億83百万円、経常利益22億03百万円、純利益14億73百万円を掲げている。設備投資はOH施設、中京工場増床、設備更新などで21年2月期からの3年間で合計43億32百万円を計画している。

■21年2月期増収増益予想

 21年2月期連結業績予想は、売上高が20年2月期比3.8%増の430億円、営業利益が1.8%増の19億05百万円、経常利益が2.8%増の20億28百万円、純利益が3.3%増の13億32百万円としている。配当予想は20年2月期と同額の30円(期末一括)である。

 過去最高更新予想である。品目別売上高の計画は製品が8.1%増の286億14百万円、商品が3.8%減の143億85百万円としている。コスト面では新規事業「OH!!!」関連費用が増加するが、惣菜製品拡販などの増収効果で吸収する。なお新型コロナウイルスの影響は軽微の見込みとしている。巣ごもり消費の動きがプラス要因となる可能性もあり、収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年2月末の株主が対象

 株主優待制度は毎年2月末時点で100株以上保有株主を対象として、商品詰め合わせセットなど(数種類から1点選択、詳細は会社HP参照)を贈呈する。20年2月期末から導入した。

■株価は戻り試す

 株価は着実に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。6月15日の終値は2305円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS208円32銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の30円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2017円79銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約147億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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