カナモトは新型コロナ影響で20年10月期予想下方修正、21年10月期回復期待

(決算速報)
 カナモト<9678>(東1)は9月4日の取引時間終了後に20年10月期第3四半期累計の業績を発表した。新型コロナウイルスによる一部工事の遅延・中止の影響で減益だった。そして通期予想を下方修正した。21年10月期の収益回復を期待したい。なお豪州の企業グループPPGの株式取得も発表している。株価は目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、減益予想を織り込み済みで下値限定的だろう。

■20年10月期3Q累計は減益、新型コロナ影響で通期予想下方修正

 9月4日発表した20年10月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比0.6%減の1329億61百万円、営業利益が19.4%減の106億58百万円、経常利益が23.0%減の104億59百万円、純利益が28.1%減の61億43百万円だった。

 公共投資関連は堅調だったが、新型コロナウイルスによる民間投資関連の一部工事の延期・中止の影響で売上が伸び悩み、レンタルビジネス収益性向上に向けた中古建機の販売抑制、人財への投資なども影響して減益だった。

 通期予想は下方修正して、売上高が19年10月期比1.5%減の1779億円、営業利益が23.2%減の137億円、経常利益が25.6%減の136億円、純利益が30.0%減の80億円とした。

 期初時点で、中期経営計画目標達成に向けた体制強化の期間と位置付けて減益予想としていたが、新型コロナウイルスの影響や、災害復旧向けに追加した設備投資の増加に伴う減価償却費の増加などで減益幅が拡大する見込みとなった。ただし災害復旧やインフラ関連の工事は堅調である。21年10月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、減益予想を織り込み済みで下値限定的だろう。9月4日の終値は2337円、時価総額は約905億円である。

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