アールシーコアは下値固め完了、22年3月期収益改善期待

日インタビュ新聞ロゴ

 アールシーコア<7837>(JQ)はログハウス「BESS」を販売している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響などで赤字予想だが、第2四半期と第3四半期は小幅ながら営業黒字に転換している。受注残の積み上げやコストダウン効果で22年3月期の収益改善を期待したい。株価は20年8月の昨年来安値に接近する場面があったが、その後は売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■ログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開

 自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売を、国内直販部門、連結子会社BESSパートナーズ(BP)社、および国内販社で展開している。

 20年3月期セグメント別(調整前)売上構成比は直販部門が26%、販社部門が50%、BP社が24%、営業利益構成比は直販部門が26%、販社部門が83%、BP社が▲9%だった。FCを中心とした事業展開で高資本効率を実現している。

 20年3月期末時点で展示場41拠点を展開し、東京都・代官山のBESS スクエア、神奈川・藤沢市のBESS 藤沢、東京都・昭島市のLOGWAY BESS多摩の3ヶ所を直営拠点としている。

 収益は直販部門とBP社の「BESS」売上、販社からのロイヤリティ収入および販社へのキット部材売上などである。四半期収益は物件引き渡し件数・時期などで変動しやすい特性がある。

 新中期経営計画ではスローガンに「曲がり真直ぐ、BESSの道」を掲げている。また重点施策としては、LOGWAY戦略のベストサイクル追求、新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」の本格化、ブランドパートナー型FC制度の確立、長寿企業を目指す収益構造改革を推進している。

■21年3月期は新型コロナ影響だが、22年3月期収益改善期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、7月31日に公表)は、売上高が20年3月期比9.7%減の159億円、営業利益が6億40百万円の赤字(20年3月期は70百万円の赤字)、経常利益が6億90百万円の赤字(同74百万円の黒字)、純利益が6億円の赤字(同23百万円の黒字)としている。受注棟数は18%減の812棟、受注高は12%減の147億円の計画である。配当予想は30円減配の20円(第2四半期末10円、期末10円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.6%減の118億60百万円、営業利益が3億11百万円の赤字(前年同期は1億99百万円の赤字)、経常利益が3億36百万円の赤字(同2億04百万円の赤字)、四半期純利益が3億49百万円の赤字(同2億23百万円の赤字)だった。新型コロナウイルスの影響などで前年比営業赤字拡大した。

 直販部門は0.2%増収で64.2%増益だった。受注は27.4%減少したが、期初受注残の売上進捗が順調だった。販社部門は21.0%減収で63.6%減益だった。新型コロナウイルスの影響などで受注が21.5%減少し、着工スケジュール長期化も影響した。BESSパートナーズは35.2%増収だった。19年1月から引き継いだ6拠点が売上増加に寄与した。直近に引き継いだ3拠点は運営経費が先行しているが、全体として赤字縮小した。受注は16.3%増加した。

 合計受注高は、東京都・代官山のBESS スクエアを改修工事で一時閉鎖(21年4月リニューアルオープン予定)したことも影響して、11.1%減の99億65百万円となった。期末受注残高は127億51百万円となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高31億33百万円で営業利益4億21百万円の赤字、第2四半期は売上高44億90百万円で営業利益42百万円の黒字、第3四半期は売上高42億37百万円で営業利益68百万円の黒字だった。第2四半期と第3四半期は小幅ながら営業黒字に回復した。

 通期も新型コロナウイルスの影響などで赤字予想だが、第2四半期と第3四半期は小幅ながら営業黒字に転換している。また下期は22年3月期収益回復に向けて受注残の積み上げを図る方針だ。さらに早期着工推進による売上回転率の向上、生産~流通のトータルコストダウンによる売上総利益率の改善、BP社拠点の収益性改善などを強化するとしている。受注残の積み上げやコストダウン効果で22年3月期の収益改善を期待したい。

■株主優待は3月末と9月末の株主対象

 利益配分については、DOE(純資産配当率)を重視した長期的視点での安定配当を行うことを基本とし、当面はDOEを7%程度まで高めることを目標としている。

 株主優待制度は毎年3月末および9月末時点の株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は下値固め完了

 株価は20年8月の昨年来安値に接近する場面があったが、その後は売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月9日の終値は719円、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS840円75銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約32億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る