マーケットエンタープライズは21年6月期予想下方修正

(決算速報)
 マーケットエンタープライズ<3135>(東1)は5月14日の取引時間終了後に21年6月期第3四半期累計連結業績を発表した。売上の伸び悩みや先行投資負担で減益だった。このため通期予想を下方修正し、従来の増益予想から一転して減益・最終赤字予想とした。22年6月期の収益回復を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新した。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが、すでに売り込まれた水準だけに下値限定的だろう。

■21年6月期3Q累計減益で通期予想下方修正、22年6月期回復期待

 21年6月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比3.0%増の81億19百万円、営業利益が77.7%減の98百万円、経常利益が83.8%減の71百万円、そして四半期純利益が4百万円の赤字(前年同期は2億46百万円の黒字)だった。

 ネット型リユース事業は7.6%減収で22.5%減益だった。農機具分野の売上が、世界的な海運コンテナ需給逼迫で輸出遅延が多発したため計画を下回った。おいくら分野の収益化も遅れた。メディア事業は2.1%減収で29.3%減益だった。収益性の高いキーワードにおける検索順位が低位にとどまり、送客収入が減少した。体制強化に向けた人件費の増加も影響した。モバイル通信事業は21.4%増収だが27.2%減益だった。通信料収入が増加したが、通信市場の競争が激化し、新規回線獲得数の減少に伴って販売奨励金収入が減少した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高28億70百万円で営業利益1億63百万円、第2四半期は売上高27億58百万円で営業利益42百万円、第3四半期は売上高24億91百万円で営業利益1億07百万円の赤字だった。

 通期連結業績予想は下方修正して、売上高が20年6月期比0.1%増の109億10百万円、営業利益が89.6%減の68百万円、経常利益が93.8%減の41百万円、親会社株主帰属当期純利益が40百万円の赤字(20年6月期は2億91百万円の黒字)とした。

 第3四半期累計が売上の伸び悩みや先行投資負担で減益だったため、通期は従来の増益予想から一転して減益・最終赤字予想とした。農機具分野の売上計画未達、おいくら分野の収益化遅れ、メディ事業の売上計画未達、モバイル通信事業の売上計画未達が主因である。22年6月期の収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新した。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になりそうだが、すでに売り込まれた水準だけに下値限定的だろう。5月14日の終値は1429円、時価総額は約76億円である。

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