マーチャント・バンカーズは22年3月期大幅営業・経常増益予想

(決算速報)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東2)は5月14日の取引時間終了後に21年3月期連結業績を発表した。オペレーション事業が新型コロナウイルスの影響を受け、さらにステーブルコインの売上が未計上となったため計画未達だったが、営業・経常増益を確保した。22年3月期は下期以降に経済活動の回復を見込み、マーチャント・バンキング事業の成長で大幅営業・経常増益、最終黒字予想としている。収益改善基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響でモミ合いから下放れの形となったが、大幅営業・経常増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期営業・経常増益、22年3月期大幅営業・経常増益予想

 21年3月期連結業績は、売上高が20年3月期比33.2%減の16億35百万円、営業利益が2.0%増の2億19百万円、経常利益が22.9%増の1億32百万円、親会社株主帰属当期純利益が44百万円の赤字(20年3月期は83百万円の黒字)だった。配当は1円増配の2円(期末一括)とした。

 マーチャント・バンキング事業は、投資収入の減少で27.2%減収だが、所有不動産からの賃貸収入および不動産投資収入が堅調に推移して28.0%増益だった。オペレーション事業は新型コロナウイルスの影響を受けたため39.7%減収で赤字だった。当期純利益は赤字だった。ホテル運営から撤退(20年11月)して減損損失1億59百万円を計上した。

 なおANGOO FinTech関連で、審査・プロモーション手数料として受領済みの米ドル連動型ステーブルコインの換金化が進まなかったため、売上高、利益とも計画未達だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高3億03百万円で営業利益39百万円の赤字、第2四半期は売上高3億63百万円で営業利益4百万円の黒字、第3四半期は売上高3億79百万円で営業利益38百万円の黒字、第4四半期は売上高5億90百万円で営業利益2億16百万円だった。

 22年3月期連結業績予想は、売上高が21年3月期比13.1%増の18億50百万円、営業利益が36.4%増の3億円、経常利益が50.5%増の2億円、親会社株主帰属当期純利益が1億30百万円(21年3月期は44百万円の赤字)としている。配当予想は21年3月期と同額の2円(期末一括)である。

 下期以降に経済活動の回復を見込み、マーチャント・バンキング事業の成長でホテル事業撤退の減収をカバーして大幅増収、大幅営業・経常増益、最終黒字予想としている。なおANGOO FinTech関連の米ドル連動型ステーブルコインの売上計上は業績予想に織り込まず、現金化の都度、売上計上する予定としている。収益改善基調を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化の影響でモミ合いから下放れの形となったが、大幅営業・経常増益予想を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月14日の終値は296円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS4円66銭で算出)は約64倍、時価総額は約83億円である。

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