シナネンホールディングスは22年3月期1Q営業減益、通期予想据え置き

(決算速報)
 シナネンホールディングス<8132>(東1)は7月30日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。収益認識に関する企業会計基準第29号適用の影響額を加味して単純計算すると増収、営業減益、経常増益、最終増益だった。通期予想を据え置いた。新規事業に係る先行投資やIT投資などで減益予想としている。ただし保守的だろう。上振れを期待したい。株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q営業減益、通期予想据え置き

 22年3月期第1四半期連結業績は売上高が493億59百万円、営業利益が4億17百万円、経常利益が5億78百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億77百万円だった。収益認識に関する企業会計基準第29号を適用し、売上高が31億38百万円減少、売上原価が28億90百万円減少、営業利益、経常利益、親会社株主帰属四半期純利益がそれぞれ2億48百万円減少した。

 前年同期は売上高が392億67百万円、営業利益が8億09百万円、経常利益が7億円、親会社株主帰属四半期純利益が2億60百万円だった。収益認識に関する企業会計基準第29号適用の影響額を加味して単純計算すると、22年3月期第1四半期は販売単価上昇などで前年同期比増収、販管費の増加などで営業減益、営業外収益の改善で経常増益、特別利益(固定資産売却益)の計上で最終増益となる。

 エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)は、春先の平均気温が平年と比べて高かったためLPガス・灯油の販売数量が低調だったが、原油価格上昇に伴って販売単価が上昇した。利益はLPガスの差益確保などで収益改善に努めた。エネルギーソリューション事業(BtoB事業)は、石油事業で前年並みの販売数量を維持し、販売単価が上昇した。利益面は電力調達コスト上昇などで軟調だった。非エネルギー事業・海外事業では、自転車販売のシナネンサイクルにおいて前年の特需の反動で販売が低調だった。シェアサイクルのシナネンモビリティPLUSは「ダイチャリ」の拠点開発を推進した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比12.4%増の2440億円、営業利益が28.5%減の21億円、経常利益が43.8%減の17億円、親会社株主帰属当期純利益が44.8%減の15億円としている。配当予想は21年3月期と同額の75円(期末一括)である。

 売上面は原油価格上昇を考慮して増収予想だが、新規事業に係る先行投資や経営基盤整備に向けたIT関連投資を積極推進するため減益予想としている。ただし保守的だろう。第1四半期の進捗率は売上高20.2%、営業利益19.9%とやや低水準の形だが、エネルギー関連の季節要因を考慮すれば順調だろう。通期上振れを期待したい。

■株価は年初来高値圏

 株価は年初来高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7月30日の終値は3040円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS137円93銭で算出)は約22倍、時価総額は約397億円である。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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