【どう見るこの株】ランサーズは底値圏、22年3月期は先行投資で赤字予想だが中期成長期待

どう見るこの株

 ランサーズ<4484>(東マ)は日本最大級のクラウドソーシング仕事依頼サイト「Lancers」を運営している。22年3月期は先行投資で赤字予想だが、DXやフリーランス化の流れも背景として中期成長を期待したい。なお22年4月移行予定の新市場区分については、9月13日開催の取締役会でグロース市場選択を決議している。株価は軟調展開で20年3月の上場来安値に接近しているがほぼ底値圏だろう。赤字予想の織り込み完了して反発を期待したい。

■日本最大級のクラウドソーシング仕事依頼サイト運営

 日本最大級のクラウドソーシング仕事依頼サイト「Lancers」を運営し、個人と企業をマッチングするフリーランス向けマッチングサービスを展開している。クラウドソーシング(CS)は不特定多数に仕事を募集し、オンラインスタッフィングプラットフォーム(OS)は特定のランサーに仕事を依頼する。案件内容や単価などが異なり、流通総額の約9割がOSである。なお第4四半期の構成比が高い季節要因があるとしている。

 事業区分は、オンラインで企業が直接利用するマーケットプレイス事業、案件を受託管理するマネージドサービス事業、IT人材を支援するテックエージェント事業としている。20年10月にはオンラインメンターサービス「MENTA」を運営するイリテクを子会社化した。

 中期目標としては、24年3月期の流通総額200億円(21年3月期実績92億円)、売上総利益40億円規模(同19億円)を掲げている。

■22年3月期は先行投資で赤字予想だが中期成長期待

 22年3月期の連結業績予想は、流通総額が21年3月期比15.0%増の106億91百万円で、売上高が0.9%増の39億02百万円、営業利益が3億70百万円の赤字(21年3月期は36百万円の黒字)、経常利益が3億63百万円の赤字(同48百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が4億52百万円の赤字(同37百万円の黒字)としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比12.0%増の9億71百万円、営業利益が41百万円の赤字(前年同期は16百万円の赤字)だった。流通総額が21%増の24億95百万円と順調に増加し、売上総利益も12%増益だったが、先行投資の影響で営業利益は赤字だった。マーケットプレイス事業への先行投資(約1億円)を除くベースでは営業増益だった。

 通期ベースでも流通総額が順調に増加するが、マーケットプレイス事業への先行投資で営業赤字予想としている。第1四半期の進捗率は流通総額が23.3%、売上高が24.9%、売上総利益が23.1%と概ね順調である。DXやフリーランス化の流れも背景として中期成長を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は軟調展開で20年3月の上場来安値に接近しているがほぼ底値圏だろう。赤字予想の織り込み完了して反発を期待したい。9月28日の終値は491円、時価総額は約77億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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