【どう見るこの株】WDBココは調整一巡、22年3月期は実質2桁増収増益予想

どう見るこの株

 WDBココ<7079>(東証グロース)は、CROとして安全性情報管理サービスを主軸とする医薬品・医療機器の開発支援を展開している。22年3月期は売上が順調に推移し、人件費増加などを吸収して小幅ながら増益予想としている。また22年3月期に突発的に発生した短期大型案件の影響を除くと、実質的に2桁増収増益予想としている。第1四半期の進捗率はやや低水準の形だが、業務効率化なども寄与して通期予想の達成は可能だろう。収益拡大基調を期待したい。株価は上値を切り下げる形で軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■医薬品・医療機器の開発支援

 WDBホールディングス<2475>(東証プライム)の子会社である。医薬品開発を受託するCRO(医薬品開発業務受託機関)事業として、安全性情報管理サービスを主軸とする医薬品・医療機器の開発支援を展開している。なお22年3月期の安全性情報管理サービスの売上高構成比は73.5%だった。

 業務分解・標準化ノウハウ、人材配置ノウハウ、人材採用ノウハウなどを強みとして、最適業務プロセスを提案・実施している。成長戦略として、安全性情報管理サービスの持続的な成長を推進するとともに、同社のノウハウを活かすことができる業務の拡大も推進する方針としている。

■23年3月期は実質2桁増収増益予想

 23年3月期の業績(非連結)予想は売上高が22年3月期比9.3%増の39億50百万円、営業利益が1.0%増の9億73百万円、経常利益が1.0%増の9億73百万円、当期純利益が0.7%増の6億52百万円としている。配当予想は1円増配の41円(期末一括)としている。

 売上が順調に推移し、人件費増加などを吸収して小幅ながら増益予想としている。また22年3月期に突発的に発生した短期大型案件の影響を除くと、実質的に2桁増収増益(売上高が16.0%増収、営業利益が15.3%増益、経常利益が15.4%増益)予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比21.4%増の9億27百万円だが、営業利益が15.0%減の1億62百万円、経常利益が13.9%減の1億65百万円、四半期純利益が14.0%減の1億13百万円だった。

 前期の複数の新規顧客からの受託案件、既存顧客からの追加受託案件などが寄与して大幅増収だが、案件稼働に伴う増員、開始予定の大型案件に備えた人員の計画的な確保と育成、所定労働時間短縮や研修拡充といった長期的にサービスを維持・向上するための戦略的な施策などにより、人件費やシステム開発費などが増加したため減益だった。

 通期予想は据え置いている。第1四半期の進捗率は売上高が23.5%、営業利益が16.6%、経常利益が17.0%、当期純利益が17.3%だった。やや低水準の形だが、業務効率化なども寄与して通期予想の達成は可能だろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形で軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。9月22日の終値は4445円、今期予想PER(会社予想のEPS273円01銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の41円で算出)は約0.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS899円39銭で算出)は約4.9倍、そして時価総額は約106億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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