【銘柄診断】TDKは二次電池向けエナジーデバイスが大幅続伸し自動車向けセンサも順調

銘柄診断

■2Q決算発表を先取り売られ過ぎ修正を期待し底値買い

 TDK<6762>(東1)は、米国で主力ハイテク企業の四半期決算が始まり、同社も今年11月1日に今2022年3月期第2四半期(2021年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定していることを先取り業績期待を強めている。為替相場も、足元で1ドル=113円台、1ユーロ=131円台と同社想定レート(1ドル=105円、1ユーロ=124円)より円安で推移していることも、買い材料視されている。

■エナジーデバイスが大幅続伸し自動車向けセンサも順調

 同社の今2022年3月期業績は、売り上げ1兆6000億円(前期比8.2%増)、営業利益1500億円(同34.5%増)、経常利益1500億円(同23.0%増)、純利益1000億円(同26.0%増)と連続の2ケタ増益が見込まれている。

 二次電池向けエナジーデバイスが大幅続伸し、自動車向け電子部品やセンサは、自動車生産がコロナ禍以前の水準まで戻ってはいないものの自動車搭載部品数が増加して順調に推移し、前期に低調だったHDD(ハードディスクドライブ)も、データセンター向けに生産が回復していることなどが寄与する。

 今年7月に開示した今期第1四半期(2021年4月~6月期)業績は、営業利益が前年同期比67%増益、経常利益が同55%増益、純利益が同2.02倍増益とV字回復した。足元の為替相場が、想定より円安・ドル高・ユーロ高で推移していることも、業績上ぶれ期待を高めており、11月1日発表予定の今期2Q累計決算の動向が注目を集めている。

 一方、株式分割は、投資単位を引き下げることにより同社株式の流動性を高め、投資家層の拡大を図ることを目的にしており、今年9月30日を基準日に1株を3株に分割した。また配当は、中間配当を期初予想通りに95円としたが、期末配当は36円として株式分割を勘案して1円増配を予定している。

■PERも13倍と割り負けまず権利落ち理論奪回を目指す

 株価は、前期業績の上方修正をテコに上場来高値1万8240円まで買い進まれ、その後の1万5000円台固めから今期業績が市場予想をやや下回るとして1万2900円まで調整し、いったん1万3790円とリバウンドしたが今年8月末に掛けての全般相場急落とともに1万1220円と再調整し、9月末の株式分割の権利取りで1万2000円台に小戻し1万2640円で分割権利を落とした。

 権利落ち後は、理論価格の4213円を下回って3560円まで下げ25日移動平均線から9%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆した。ファンダメンタルズでもPER13倍台と東証1部全銘柄平均の15倍台を下回り割り負けている。まず9月30日につけた株式分割権利落ち高値4165円抜けから理論価格奪回を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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