【銘柄診断】エコムは3Q高利益進捗業績と脱炭素化関連事業をテコに割安直近IPO株買いが再燃余地

■脱炭素化に向けた最先端工業炉を相次ぎ積極導入

 エコム<6225>(名証メイン)は、今年3月31日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、6月7日には上場来高値3750円まで買い進まれており、目先の利益を確定する売り物が増勢となっている。ただ、13日の取引時間終了後に発表した今2023年7月期第3四半期(2022年8月~2023年4月期、3Q)業績は、IPO時の今7月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示して着地しており、今期配当が年間33円(前期実績10円)に大幅増配を予定されていることも加わり、下値では直近割安IPO株買いが再燃する展開も想定される。また「カーボンニュートラル(脱炭素化)」に向け省エネ実現の最先端工業炉を相次ぎ積極導入していることも、関連株買いを刺激しよう。

■オーダーメイド型工業炉の受注が伸びEV化もタイムリーにキャッチ

 今7月期3Q業績は、売り上げ17億3900万円、営業利益1億8500万円、経常利益1億7000万円、純利益2億2000万円で着地した。四半期決算は初作成となるため前年同期比較はないが、IPO時の今7月期通期予想業績に対する利益進捗率は、76%~83%と目安の75%を上回った。同社は、工業炉の開発・設計・製造をする産業システム事業と、既存工業炉の点検・監視・改造をする保守サービス事業を経営の2本柱としており、産業システム事業の受注のうち78.1%が自動車産業向けとなっている。この自動車産業の設備需要の回復で、設備売り上げが好調に推移し、IPOによる上場費用の計上はあったものの、旧本社社屋の売却益と新本社建設の伴う補助金収入もオンして高利益進捗となった。

 今2023年7月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ23億5500万円(前期比56.7%増)、営業利益2億2300万円(同2.28倍)、経常利益2億2300万円(同2.10倍)、純利益2億6300万円(同2.61倍)と見込んでいる。日本全体のCO2排出量のうち、工業炉からの排出量は13.6%を占めており、環境対応型のオーダーメイド型の工業炉の受注や引き合いが増加し、自動車業界の電動化(EV)の自動車部品の変化をタイムリーにキャッチしていることなどが寄与する。また最先端の工業炉については、今年5月29日には50%の省エネを実現するノリタケカンパニーリミテド製の遠赤外線アニール炉(LF)のテスト炉を同社テクニカルセンターへ導入したことを発表したほか、6月1日には今年5月のマイクロ波炉、2024年7月期中の高速熱風炉の導入が報道され、自動車業界以外の半導体、電機、食品などへの業種の顧客獲得を加速させると伝えられた。

■PERは9倍台と売られ過ぎを示唆し最高値奪回に再発進

 株価は、公開価格1680円でIPOされ、IPO株では人気薄の地方銘柄であるハンディから初値は1714円と小幅高でつけ、公開価格を下回る上場来安値1519円まで調整した。同安値からは売られ過ぎ修正買いにLF炉導入がオンして連続ストップ高し、6月1日付けの最先端炉導入報道でもストップ高して上場来高値3750円まで急騰した。足元では、目先の利益確定売りで2800円台へスピード調整中だが、PERは9.57倍と売られ過ぎを示唆している。EV関連株人気も加わり、最高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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